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英語圏向けGoogle広告の効果的な運用方法

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パソコンでGoogle検索をする手元

海外展開において、Google広告は最も強力なマーケティングツールの一つです。中でも英語圏市場は競争が激しい一方、的確な戦略を持てば大きな成果が期待できます。

本記事では、英語圏をターゲットとしたGoogle広告の運用方法を、設計から最適化、実践事例まで体系的に解説します。現地ニーズに応じた戦略の立て方や、広告クリエイティブのポイントを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

英語圏でのGoogle広告運用の重要性

Googleのネオンサイン

英語圏市場の特徴

英語圏市場は、世界のオンライン広告において最大級の規模と影響力を誇ります。アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどの主要英語圏では、インターネット普及率が非常に高く、オンライン広告への依存度も高いという特徴があります。

加えて、消費者の購買行動は日本とは異なり、比較検討を重視する合理的な選択志向が強く見られます。レビュー、比較サイト、ランキングといった第三者の評価が購買決定に大きく影響する傾向があり、広告だけでなく情報設計全体の精度が問われる市場です。

さらに、英語圏はひとくくりにされがちですが、文化やトーンの好みは国ごとに微妙に異なります。たとえば、アメリカでは感情に訴える広告が効果を発揮する一方、イギリスではユーモアやウィットが好まれる傾向があります。これらの違いを理解したうえで、ターゲットごとのコピーライティングとクリエイティブの最適化が必要です。

また、検索ボリュームが圧倒的に多く、Google広告の掲載結果やクリック単価(CPC)に対する競争も激しいことから、精緻なキーワード設計と入札戦略が求められるのも英語圏広告運用の特徴のひとつです。

グローバル市場への参入メリット

英語圏市場を対象に広告展開することは、単に新しい顧客層を開拓するだけではなく、自社ブランドの国際的なポジショニング強化にもつながります。特に日本企業にとって、国内市場の成熟や少子高齢化による需要縮小に対応するための新たな成長戦略として、英語圏への進出は非常に有効です。

英語は世界中で最も利用されているビジネス言語であり、英語圏での実績は他国への信頼性向上にもつながります。また、Google広告を使えば、ローカルマーケットに比べてはるかに広範囲なターゲティングが可能となり、ニッチ市場へのリーチや、リマーケティングによる関係構築も容易になります。

さらに、競合の多い英語圏だからこそ、広告運用を通じたA/Bテストやユーザー行動分析が活発に行え、マーケティングスキル全体の底上げにも寄与します。

近年では、英語圏向けにローカライズされた商品ページを持ち、Google広告経由で売上を拡大する越境EC事業者も増えており、実践的なノウハウが蓄積されてきています。

参考:https://allis-co.com/allisblog/6887

このように、英語圏への広告展開は「チャレンジングだが大きなリターンが見込める領域」であり、その準備と戦略次第で成功の可能性は大いに広がります。

英語圏向け広告キャンペーンの設計方法

Googleのサイトを表示したスマートフォン

地域とターゲット属性の決定

まず初めに、広告配信先となる地域の選定と、ターゲットとするユーザー属性の明確化が必要です。英語圏と一括りにしても、文化・価値観・購買行動・商習慣には国ごとに違いがあります。

例えば、アメリカでは「利便性」「スピード」「実績」が重視されやすく、イギリスでは「信頼性」「倫理性」への意識が高く、カナダでは「多文化・多言語への配慮」が求められる傾向があります。

広告キャンペーンを構築する際は、以下のような切り口からターゲットを定義しましょう。

  • 国/地域(アメリカ・イギリスなど)
  • 言語(英語のみか、多言語併記が必要か)
  • 年齢・性別・職業
  • 趣味・興味関心
  • 行動履歴(リマーケティング活用)

これにより、パーソナライズされた広告設計が可能となり、成果に直結する確率が高まります。

キーワード選定のポイント

英語圏では検索ユーザーが使用する表現や語彙が多様であるため、キーワード選定がキャンペーン成功のカギとなります。

たとえば、日本語で「おしゃれ」と表現するものでも、英語では「stylish」「trendy」「fashionable」など複数の候補があります。意味が似ていても、対象年齢や文脈が異なることがあるため、ターゲット層が実際に使う言葉を調査することが重要です。

GoogleキーワードプランナーやGoogleトレンド、Ahrefs、SEMrushなどのツールを活用し、以下のような観点で候補を洗い出しましょう。

  • 月間検索ボリューム
  • 競合度(High/Medium/Low)
  • ユーザーの検索意図(Do/Know/Buyクエリの分類)

さらに、ブランド名や商品名だけでなく、問題解決型のキーワード(例:how to solve ~、best solution for ~)も加えることで、より広範囲な見込み層へリーチ可能になります。

広告文の作成とネイティブの視点

広告文(見出し・説明文・表示URL)は、ユーザーの関心を一瞬で惹きつけ、クリックへ導く非常に重要な要素です。英語圏では「直接的」「簡潔」「利益が明確」なコピーが好まれる傾向にあります。

以下の3点を意識すると、CTR(クリック率)の向上が期待できます。

  1. ユーザーの悩みを明確に提示(例:Struggling with slow shipping?)
  2. ベネフィット主導型の訴求(例:Get it delivered in 2 days)
  3. 行動喚起(CTA)の工夫(例:Shop now / Discover more / Try free demo)

また、英語が母語でない担当者が作成したコピーは、微妙な違和感を与えてしまう場合があります。そのため、ネイティブの監修やチェックを必ず経ることを推奨します。

とくに文化的な言い回しやユーモア表現などは、国によって解釈が異なるため注意が必要です。たとえばアメリカでは「積極性」を好む一方、イギリスでは「控えめで知的な表現」が支持される傾向があります。

このように、言語以上に文化理解を伴ったクリエイティブ戦略が、英語圏広告の成果を左右します。

リスティング広告を始める前に知っておくべき失敗要因については、当社がまとめた資料「リスティング広告失敗要因8選」をご覧ください。【無料ダウンロード】

英語圏での競合調査の進め方

ワークスペースで話す男女

競合分析の重要性

英語圏市場におけるGoogle広告運用では、競合の動向を把握することが成果を分ける大きな要因となります。なぜなら、広告市場における競争が激しく、ユーザーの選択肢も豊富だからです。

競合分析を行うことで、自社と同じ顧客層を狙う企業が、どのようなキーワードで広告を出稿し、どんなコピーを使って訴求しているのかを把握できます。これにより、市場での差別化ポイントを明確にし、自社のポジショニングを最適化するヒントを得ることができます。

代表的な分析ツールとしては、以下のようなものがあります。

  • SEMrush:競合のキーワード出稿状況、広告コピーの内容、トラフィック推定などを分析
  • SpyFu:競合の有料広告履歴やキーワードパフォーマンスを確認可能
  • SimilarWeb:競合サイトの流入元チャネルや広告手法を可視化

これらのツールを活用することで、自社が参入しようとしている領域での競争状況を具体的に把握でき、戦略的に有利なポジションを見極めやすくなります。

市場でのポジショニング戦略

競合分析を踏まえたうえで重要になるのが、自社ならではの訴求軸をどこに置くかという「ポジショニング戦略」です。英語圏市場では、明確なUSP(Unique Selling Proposition:独自の強み)がなければ、消費者の記憶に残ることは難しくなります。

たとえば、同じカテゴリーの商品であっても、

  • 「価格で勝負する」
  • 「プレミアム品質を訴求する」
  • 「環境に優しい姿勢を前面に出す」
  • 「現地文化に根ざしたデザイン性を訴える」

など、切り口によって受け取られ方はまったく異なります。

英語圏では、広告の表現やコンテンツがブランドイメージを強く形づくるため、広告の一貫性と信頼感も問われます。配信するすべてのコピー、ランディングページ、バナー、動画などが、同じ世界観でつながっていることが重要です。

このように、競合との差別化だけでなく、自社の“らしさ”をどう確立するかが、長期的な広告運用の成否を左右する鍵となります。

Google Merchant Centerの活用法

ボードに貼られた付箋

商品情報の翻訳とデータ準備

Google Merchant Centerは、ショッピング広告を展開するための要となるプラットフォームであり、商品データの整備と最適化が成果を左右します。特に英語圏向けに出稿する場合、日本語からの正確な翻訳と、現地表現に配慮したデータ設計が不可欠です。

まず、商品タイトルや説明文は、単に直訳するのではなく、現地ユーザーが検索しそうな語彙やトーンを取り入れて自然な英語に整える必要があります。たとえば、「速乾タオル」という表現は“quick-dry towel”と訳すのが一般的ですが、ターゲット層によっては“fast-absorbing towel”や“travel-friendly towel”の方が効果的な場合もあります。

翻訳の際は以下の観点に注意が必要です。

  • 商品名、カテゴリ名はGoogleが推奨する分類ルールに従う
  • 単位表記(cm → inch、g → ozなど)を現地仕様に合わせる
  • 日付や価格表記、通貨を販売国に準拠させる

商品データには最低限以下の情報が必要です。

  • 商品ID、タイトル、説明、画像URL、価格、在庫状況
  • ブランド名やGTIN(製品コード)がある場合は必須

このように、翻訳品質と構造的なデータ整備が、広告表示の最適化や掲載承認のスムーズさに直結します。

販売先の国指定とフィード追加

商品データを用意したら、次にGoogle Merchant Centerで出稿対象となる「販売国」を指定し、適切な商品フィードをアップロードします。英語圏の場合、アメリカ(US)、カナダ(CA)、イギリス(GB)、オーストラリア(AU)などを設定できます。

それぞれの国にはGoogleが定める「国別ポリシー」や「税・送料ルール」があり、国ごとの要件を満たしていないと広告が掲載拒否となる場合があります。

販売先の国指定後、以下の方法で商品フィードを追加できます。

  • スプレッドシートで手動アップロード
  • FTP/SFTP経由で定期更新
  • API連携(大規模ECサイト向け)

とくに初期段階では、Googleが提供する「Google Sheetsテンプレート」を用いた管理が簡単かつ推奨されます。商品数が増えてきたら、自動化によるフィード更新の体制を整えると運用効率が向上します。

また、販売先ごとに適用通貨の設定や、地域限定の送料ルールを追加設定することも可能です。たとえば「アメリカ向けはUSD表示で送料無料」「イギリス向けはGBPかつ送料一律」など柔軟に対応できます。

このように、Google Merchant Centerを活用することで、ショッピング広告に必要な商品データを体系的に管理・配信でき、広告成果を最大化するための基盤が整います。

英語圏向け広告の最適化戦略

広告キャンペーンの効果測定

広告キャンペーンの成果を正しく評価するには、明確なKPI(主要指標)を設定し、定期的にデータを確認・分析する必要があります。英語圏の広告は、クリック単価(CPC)やコンバージョン率(CVR)が国・地域によって変動しやすいため、継続的なモニタリングと改善が必須です。

代表的なKPIには以下があります。

  • CTR(クリック率):広告文・クリエイティブの魅力度を示す
  • CPC(クリック単価):獲得にかかるコストを把握
  • CVR(コンバージョン率):広告→成果への変換効率を測定
  • ROAS(広告費用対効果):投資対効果を可視化

これらの数値はGoogle広告の管理画面で確認可能です。特に英語圏では競合も多く、小さな差が成果に大きな影響を及ぼすため、クリック率が1〜2%変動するだけでも売上やCPAが大きく変わる可能性があります。

データ分析は「週次」「月次」など定期的なリズムを持たせることで、短期的な偏りに惑わされず、長期的な傾向を掴むことができます。スプレッドシートやGoogleデータポータルを活用し、KPIの推移を可視化するのもおすすめです。

予算配分とブラッシュアップ方法

限られた広告予算のなかで最大の成果を得るには、費用対効果の高いチャネル・キーワードへの集中投下が基本戦略となります。

そのためには、以下の3ステップを繰り返すことが重要です。

  1. テスト出稿:複数の広告パターンやキーワードを少額でテスト
  2. 分析・評価:成果が出た要素を洗い出す
  3. 再配分・改善:成果が高い箇所に予算を集中、他を停止・調整

また、クリエイティブやランディングページ(LP)のブラッシュアップも忘れてはなりません。英語圏では情報過多な市場環境ゆえに、「差別化された訴求ポイント」や「読みやすく、わかりやすい構成」がクリック後の離脱防止に直結します。

定期的なA/Bテスト(広告文・画像・CTAなど)やヒートマップ分析ツール(例:Hotjar、Microsoft Clarity)を使いながら、UI/UX改善も同時に進めると効果的です。

さらに、競合と比較した際にどの要素が勝っているのか(価格/品質/スピード/サービス対応など)を軸に訴求強化を図ると、ブランドとしての信頼醸成にもつながります。

このように、英語圏向けの広告戦略では「配信→分析→改善」の高速PDCAを徹底することが、勝ち続けるための絶対条件です。

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まとめ

広告運用に関するサイトが表示されたパソコン

英語圏広告運用の成功事例

最後に、海外向けGoogle広告成功事例についてご紹介します。

株式会社クボタ計装

今回ご紹介するのは、テレビCMでもお馴染みのクボタの100%子会社で、主に計量機器の製造・販売を行っている株式会社クボタ計装です。
クボタは社会の人々に役立つものを創り出すことを企業理念とし、創業以来食料や水、環境問題など様々な諸問題に立ち向かい、それらに貢献するような製品・サービスを世に送り出してきました。

そして日本だけでなく、社会貢献は世界中の国に対して行っていて、それぞれの国の情勢を見極めながら事業を展開し、海外でも売り上げを伸ばしてきました。
しかしクボタ計装の製品に関して、2010年代はまだ国内で製造したものを国内で販売するケースがほとんどで、海外に向けた販売が広がっていませんでした。

そこで、海外進出先として中国とインドをターゲットにし、拡販していくことになりました。
特にインドの場合は国土も広く、現地へ行って直接営業することが難しいため、インターネットに頼らざるを得ませんでした。
そこでデジタルマーケティング戦略の一環として、Google広告の配信を行いました。

製造業という通常業務を行いながら広告にも注力することが難しかったため、代行業者の力を借りて広告配信後の効果測定や分析まで丁寧に行いました。
そのため広告配信中でもキーワードを変更したり、クリエイティブを差し替えたりし、改善施策をどんどん実施しました。

とにかくブランド認知度を高め、少しでも拡販に繋げたいというのがマーケティングの目的でした。
そして開始以来、現地販売員の方などから「クボタってすごく良さそうな会社ですね」などの言葉をいただき、広告配信によってブランドイメージをしっかりと形成できているなという実感がありました。

これらの結果、Google広告を含むリスティング広告ではかなり効果の感じられる結果を打ち出すことができました。
具体的には、リスティング広告の配信をスタートした1年目に、長年課題だったwebからの訪問者数が33倍と大きく伸びました。

そしてその翌年、訪問者数はさらに3倍の伸びを記録するなど、広告は大きな効果が目に見えてありました。
さらに、現地ユーザーからの問い合わせ件数も約6倍に増え、マーケティング目標をしっかり達成できたと言えるでしょう。

この成功事例からは、海外展開をする際どんなターゲットだとしても、まずはこの施策によってどのような結果を得たいのか、具体的にゴール設定をすることが非常に重要だということが分かります。
代理業者に依頼する際も、目標設定はお互いの意思疎通において非常に重要であるため、ぜひ基本的な部分を疎かにせず検討するようにしましょう。

今後の展望と実践的アドバイス

英語圏の広告市場は、今後も高い成長が見込まれています。特に北米市場ではAIによる自動最適化広告(Performance Maxなど)の導入が進み、より少ないリソースでも高度な運用が可能となってきています。

一方で、文化的背景・言語表現・消費者行動の違いを踏まえた「人間の視点」も依然として重要です。

以下は、これから英語圏向けGoogle広告に取り組む方に向けた実用的なヒントです。

  • 初期はテスト広告から始めて小さく成功体験を積む
  • 定期的な競合調査・キーワード見直しを怠らない
  • ネイティブによる表現チェックや文化的レビューを挟む
  • 複数国向けには通貨・配送・表記などローカライズを徹底
  • 成果が出た施策は「横展開」し、複数国へ応用

特に注目すべきは、AIと人間のハイブリッド戦略です。AIに分析や入札最適化を任せつつ、クリエイティブや表現の工夫は人間が担うことで、より成果につながる運用が実現します。

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