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SDGsは「掲げる」だけではく「継続する」ことが問われます
持続可能な社会の実現に向けて、SDGs(Sustainable Development Goals)への関心は年々高まっています。「うちもSDGsに取り組まないと」と感じる企業は増え続け、経営戦略や商品・サービスにSDGsの視点を取り入れるのが“当たり前”になりつつあります。
実際、国連の調査や経済産業省のレポートによれば、国内企業の約8割が何らかの形でSDGsに関与しており、特に2025年以降は「本気度」と「継続性」が問われるフェーズに入っています。
しかしながら、
「何から始めればよいのか分からない」
「取り組みが一過性で終わってしまう」
「社内に浸透しない」
といった悩みも多く、ロゴの掲示やCSRレポートだけでは“本質的な変化”にはつながらないのが現実です。
そこで本記事では、実際にSDGsに向き合い、成果を上げている企業の活動事例を紹介します。
現場の工夫、社内外との連携、長期的な継続力など、「リアルなSDGs」を採用している事例をお届けします。
SDGs導入事例
日本郵政株式会社

URL:https://www.japanpost.jp/
【概要】
日本郵政グループでは、物流・金融・地域サービスを横断しながら、ネットワークを活かしたSDGs推進に取り組んでいます。2015年の国連採択以降、2030年に向けた17の目標と169のターゲットに対応し、グループ中期経営計画にもSDGsを組み込んでいるのが特徴です
特に以下の軸で活動を展開:
- 全国2万拠点の郵便局を地域拠点へ進化
- EV車両の導入やLED化による環境負荷軽減
- 高齢者への見守りや金融・行政サービス拡充
- 障がい者雇用と多様性尊重の職場づくり
【特徴】
- 全国規模の社会インフラ活用
郵便局を駅と一体化するなど、地域コミュニティの中核を担う取り組みに注力。 - 環境に配慮した運営
2019年〜2023年にかけて軽四輪EV車約1,650台・EV二輪車約7,000台へ切替。郵便局のLED化と紙資源使用の見直しも進行中。 - 社会的包摂と人材活性化
高齢者見守りサービスや障がい者雇用(約6,000名)、LGBTQ対応での「PRIDE指標ゴールド」獲得などにも積極的に取り組む。 - 地域物流の効率化・共助型サービス
「ぽすちょこ便」「おたがいマーケット」など、物流資源を活用した地産地消支援や買物難民対策に参入。
【活用例】
- 地方創生支援を目的とした地域連携
郵便局が駅や自治体と協業し、行政手続きや地域相談の窓口を併設。地域住民の生活利便性を向上。 - 物流インフラの多様活用
EV車と余剰スペースを活かした「ぽすちょこ便」は、地元生産者による地産地消を支援。月額定額制で地域住民のコミュニティ作りも促進。 - 高齢者と障がい者に寄り添ったサービス設計
見守りサービスは五感で生活変化を察知し、利用者から「安心できる相談相手ができた」と高評価。障がい者雇用は全国6000名規模で推進中。 - 環境配慮型施設と運用の徹底
EV車・LED導入・紙資源の見直しに加え、郵便局での消灯・空調管理などPDCAサイクルによるエコ運営を推進。
パナソニック株式会社

URL:https://www.panasonic.com/jp/about.html
【概要】
パナソニックは、グループの経営哲学に基づき、事業・サプライチェーン・従業員・社会貢献活動の全軸でSDGs推進に取り組んでいます。
2030年に向け、「Green Impact」などの長期環境ビジョンのもと、カーボンニュートラル・資源循環・包摂的社会づくりを推進しています。
【特徴】
- スマートタウン開発:神奈川県・藤沢には、「Fujisawa Sustainable Smart Town」を展開。
- 太陽光+HEMS+蓄電でCO₂削減70%、水使用30%削減を実現
- 災害時には3日分の電力供給が可能な自律機能付き
- コミュニティスペース「Wellness Square」設置で世代間交流を支援
- 光・LED製品による環境配慮:照明事業では、工場・公共施設へのLED導入や、ID A認証ライトによる光害防止灯などを展開。
- 新潟工場ではLED制御により消費単位CO₂を32.5%削減
- 循環型製造・調達:製品の開発からリサイクルまで一貫した“循環設計”を実施。
- 取引先と連携し、資源削減や再資源化に向けた取り組みを促進
- NPO支援・生態保全活動:
- 「NPO/NGO支援基金」で国内外の団体基盤強化に助成(金額:2,914万円/64団体対象)
- 海外では照明を通じた教育・医療支援等も展開
【活用例】
- 自治体との協働スマートシティ:藤沢スマートタウンは地元自治体や住民と協創し、低炭素・防災・共生・モビリティ支援を実装。
- 工場から公共施設までのLED展開:新潟で実績のある省エネモデルは、他拠点や地域公共施設・商業施設への展開見込みあり。
- 資源循環型調達の連鎖効果:サプライヤーへの共同イニシアチブ(ECO‑VC)で、CO₂削減・資源再利用に向け価値観共有。
- 社会課題を担うNPO支援:基金以外にも、アフリカ等での照明導入による教育支援や、国内での災害復興支援など多方面で貢献。
三菱電機株式会社

URL:https://www.mitsubishielectric.co.jp/ja/
【概要】
三菱電機グループは、企業理念「活力とゆとりある社会」のもと、事業活動・製品・技術・社会貢献を通じて、SDGs達成に貢献しています。
特にSDGsの目標3・7・9・11・13を重点領域と定め、脱炭素、インフラ整備、循環経済、安全・快適社会づくりなどを「重点課題(マテリアリティ)」としています。
【特徴】
- 高効率・低エネルギー技術の製品化
- 低GWP冷媒VRFヒートポンプやエコーダンなど、省エネ性の高い製品群を展開。
- 照明・空調制御では工場・施設向けに大幅CO₂削減効果。新潟工場ではCO₂単位消費を32.5%改善。
- パワー半導体による脱炭素貢献
- SiC技術搭載パワー半導体が電動自動車や自然エネルギー活用を効率化し、カーボンニュートラルの鍵に。
- 循環型プラスチックリサイクル
- 家電廃材から高純度プラスチック素材を回収・再生。自社製品へ再導入する「自己循環リサイクル」を強化。
- 地域・都市インフラとの連携
- スマートビル・スマートシティ実現に向け、IoT・AIを活用した建築設備・都市制御ソリューションを整備。
【活用例】
- 大型施設や都市インフラの省エネ化
低GWP冷媒ヒートポンプ導入により、ビル・工場や施設のエネルギー効率向上・CO₂排出削減が可能。 - 自動車・再エネ領域への拡張
SiCパワー半導体はEVや太陽光発電の変換・蓄電に不可欠で、電動化・再エネ普及に有効。 - 家電製造から回収までの閉ループモデル
廃家電から素材を再利用する仕組みにより、リサイクル率97%超を達成し、部材コスト低減やブランド価値向上にも貢献。 - スマート街づくりの推進基盤
ビルだけでなく街全体の設備/行動データを連携した制御により、快適性・安全・エネルギー効率を両立。
まとめ
企業の規模や業界、対象市場が異なっても、「自社の事業特性」と「社会課題」を接続する姿勢が、持続可能性と競争優位の両立につながります。
今後SDGsへの取り組みを強化したい企業にとっては、こうした先行事例を参考にしつつ、自社のビジネスモデルに合わせた実践的なアプローチを検討することが求められます。
自社の社会的責任を果たしながら、価値ある未来を創るSDGs戦略の第一歩として、本記事がそのヒントとなれば幸いです。
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