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中国動画サイトの活用法とマーケティング戦略

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中国のデジタル市場は独自の発展を遂げており、動画コンテンツの消費量は年々増加しています。YouTubeなどが規制されている中で、中国国内では独自の動画プラットフォームがユーザーの生活に深く根ざし、ビジネスやマーケティングの重要な接点として機能しています。

本記事では、中国の主要な動画サイトやその特徴、そしてマーケティングへの応用法について詳しく解説します。

中国市場におけるプロモーションの詳細や事例が知りたい方は、当社の取り組みをまとめた[資料ダウンロード]ページをご覧ください。

中国の主要動画サイトを紹介

中国では、世界的なSNSや動画プラットフォーム(YouTube・Instagram・Facebookなど)が利用できない代わりに、独自の巨大動画エコシステムが発展しています。
代表的な動画プラットフォームとして、以下の5つが挙げられます。

  1. Douyin(抖音):中国版TikTok。ショート動画ブームを牽引する存在
  2. Kuaishou(快手):地方や中小都市での利用が多く、ライブ配信機能が充実
  3. Bilibili(哔哩哔哩):アニメ・ゲーム・オタク系文化に強く、若年層の支持を集める
  4. iQIYI(爱奇艺):映画やドラマなどのロング動画に特化したストリーミングプラットフォーム
  5. Tencent Video(腾讯视频):テンセントが運営する総合動画サイト。オリジナルコンテンツも豊富

これらのプラットフォームは、それぞれに異なるユーザー層・用途・文化背景を持っており、マーケティング戦略を立てる上ではこの違いを理解することが重要です。

参考:CBN中国動画サイト比較ガイド https://www.cbn.co.jp/archives/3934

中国動画サイトのトレンドと利用者数

中国では動画コンテンツの消費が日常の一部となっており、特にモバイル経由での視聴が主流です。
若者だけでなく中高年層も動画視聴に多くの時間を割いており、SNSと動画の融合が進んでいます。

特にショート動画が生活の中に定着したことにより、プラットフォームごとの役割や人気にも変化が見られています。

中国で人気の動画サイトランキング

2024年現在の中国での動画アプリ利用ランキングは以下の通りです。(MAUベース)

  1. Douyin:約7億人
  2. Kuaishou:約4億人
  3. Tencent Video:約2.6億人
  4. iQIYI:約2.5億人
  5. Bilibili:約1.6億人

ショート動画市場の急成長が目立っており、特にDouyinとKuaishouは若年層から中高年層まで広い年代に浸透しています。

各サイトのユーザー数と利用者層

それぞれのプラットフォームは、異なる地域・年齢層・興味関心にリーチしており、マーケティングにおいては「どのプラットフォームで誰に何を伝えるか」という視点が求められます。

  • Douyin:都市部・若年層に強く、エンタメ・美容・ライフスタイル領域の情報発信に適しています。
  • Kuaishou:地方在住者や労働者層に人気。庶民的で親しみやすい内容が好まれます。
  • Bilibili:中国版“ニコニコ動画”的存在。熱量の高いコミュニティ形成が可能で、Z世代の支持が厚いです。
  • iQIYI / Tencent Video:よりリッチなドラマ・映画コンテンツを求める層向け。ブランデッドコンテンツや番組タイアップとの相性が良いです。

参考:Infocubic中国動画市場レポート https://www.infocubic.co.jp/blog/archives/6632/

中国動画サイトの特徴と活用法

中国の動画サイトは、プラットフォームごとにコンテンツの形式やターゲット層、ユーザーの利用目的が異なります。これらの特性を正しく理解することで、マーケティング施策の精度を大きく高めることが可能になります。

ここでは、特に重要なショート動画とロング動画の2つのカテゴリーに分けて、その特徴と活用法を解説します。

中国特有の市場でのプロモーション戦略については、さらに具体的な事例と方法をまとめた資料をご用意しています。ぜひ[こちら]からダウンロードして、参考にしてください。

ショート動画プラットフォームの特徴

中国ではショート動画が日常生活の一部として定着しており、Douyin(抖音)やKuaishou(快手)といったショート動画プラットフォームが圧倒的な人気を誇っています。
これらのプラットフォームの特徴として、次の3点が挙げられます。

  1. 高いユーザーエンゲージメント:エンタメ性と中毒性の高いUI設計により、ユーザーは1日に何時間も滞在する傾向があります。
  2. アルゴリズムによるレコメンド精度:ユーザー行動に基づいたコンテンツ推薦機能により、フォロワーが少ないアカウントでも再生数を伸ばしやすい特性があります。
  3. UGC(ユーザー生成コンテンツ)の力:一般ユーザーによる投稿が主流であり、親しみやすいコンテンツが好まれる傾向にあります。

企業にとっては、広告出稿だけでなく、「ブランド参加型チャレンジ」や「コラボコンテンツ」など、ユーザーと共にコンテンツを作るキャンペーン設計が鍵となります。

参考:CBN中国ショート動画マーケティング https://www.cbn.co.jp/archives/3934

ロング動画プラットフォームの特徴

一方で、映画・ドラマ・ドキュメンタリー・教育系コンテンツなど、長尺動画に特化したプラットフォームも根強い人気を保っています。
代表的なのはiQIYI(愛奇藝)、Tencent Video(騰訊視頻)、Youku(優酷)などです。

ロング動画の特徴は以下の通りです。

  • 公式ライセンスによる高品質な動画:著作権を取得した映画・ドラマなどが多く、信頼性の高いコンテンツが揃っています。
  • 課金型モデルとの親和性:広告視聴やサブスクリプションによって収益を上げており、ユーザーの滞在時間も長く、広告露出機会が豊富です。
  • ブランドタイアップに適した形式:長尺ストーリー内にブランドを自然に登場させる手法や、プレロール広告などが効果的です。

BtoBマーケティングや高価格帯製品の認知拡大を図る場合には、長尺動画での世界観訴求が効果を発揮するでしょう。

参考:ENJOY JAPAN 中国動画マーケティング https://enjoy-japan.jp/column/china-marketing/china-video-marketing/

中国での動画プロモーションの効果

動画を活用したプロモーションは、視覚と聴覚を通じた高い訴求力により、ブランドの世界観や製品の魅力を直感的に伝えることができます。中国ではその影響力が特に顕著であり、多くの企業がプロモーション施策に動画を取り入れています。

動画を活用したプロモーション事例

ここでは、中国動画サイトを活用したプロモーション事例について、3つほど紹介します。それぞれのプロモーションにおいて、行った施策や効果をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

1つずつ確認していきましょう。

西武・そごうのPR動画

2018年6月、西武・そごうが中国語圏の訪日外国人客をターゲットにしたPR動画「Are you ready?」を公開しました。

中国で人気のある俳優の木村拓哉さんと西武・そごうの社員約80人が出演し、「Are you ready?」には「(開店前の)準備はできているか?」という意味があります。西武渋谷店を舞台に楽しい雰囲気で踊りながら、開店前の準備をしているという内容です。

この動画は、中国語圏での認知拡大を目的としており、動画内には中国語の字幕が入っています。タイトルは中国語と日本語が併記され、主要な動画サイトや空港、香港そごうなどでも公開されました。

中国で人気な俳優を起用したこの動画によって、西武・そごうのブランド認知度が中国語圏で高まり、訪日外国人客の増加につながったと考えられています。

すしざんまいのPR動画

「Ryuuu TV」は、中国語圏で最も影響力のあるYouTuberであり、台湾・香港を中心に人気を獲得しています。

彼らは、日本旅行専門月刊誌「Japan Walker」とのコラボレーションの第6弾として、新たな動画を公開しました。今回は、すしざんまい新橋店を訪れ、日本のお寿司屋さんの様子と注文の仕方を伝えるというものです。ビデオでは、お寿司を食べる中で気づいた板前さんの心配りの凄さやお寿司屋さん独特の言葉を教えるコーナーなど、リアルな紹介が行われています。

72万人以上のファンを抱え、台湾・香港で最も影響力のあるインフルエンサーとなった「Ryuuu TV」は、多岐にわたる活動を行っており、日本の面白スポット・食・旅行など、さまざまな日本の情報を中国語圏に発信しています。

青森県弘前市の観光PR動画

青森県弘前市は、中国人KOLである小梦Tubeとのコラボレーションを通じて日本の文化や観光地を紹介する動画を制作し、中国人観光客の増加を促しました。

2015年に小梦さんを招待して配信した桜まつりの動画は、1週間で15.8万回以上再生され、中国人観光客の増加に繋がりました。青森県観光国際戦略局によると、平成30年には訪日中国人の数が平成26年比で14.2倍に増加し、台湾からの観光客も4.4倍に増加しました。

中国人観光客を上回るほど台湾人観光客の数が増加し、このプロモーションの波及効果の測定は難しいものの、弘前市のプロモーションは、訪日中国人だけでなく訪日台湾人の増加にもつながったことが分かります。

動画マーケティングの成功要因

動画マーケティングが成功するためには、次のような要素が鍵となります。

  • 明確なターゲット設定:ペルソナ設計をもとに、視聴者層の関心を的確に捉える。
  • 短時間で訴求できる構成:導入数秒で惹きつける工夫が必須。
  • 感情に訴えるストーリー性:感動・共感を呼ぶストーリーテリングが効果的。
  • CTA(行動喚起)の明示:視聴後の行動を促す導線設計。

このように、中国での動画プロモーションは単なる視聴数や拡散数だけでなく、「購買」や「ファン化」までの一貫した導線設計が成功のカギを握っています。

参考:中国マーケティングの実践ガイド https://www.cbn.co.jp/archives/3934

中国動画サイトを利用したマーケティング戦略

インフルエンサーとの協力

中国では「KOL(Key Opinion Leader)」と呼ばれるインフルエンサーが、消費者の購買意思決定に与える影響が非常に大きく、マーケティングにおける重要な戦力です。
特に、美容・ファッション・ガジェットなどの分野では、KOLの推薦によって爆発的に商品が拡散されることも少なくありません。

企業は商品やブランドイメージに合致したKOLを起用し、自然な形での情報発信を行うことが成功の鍵となります。ショート動画だけでなく、ライブ配信やQ&A機能などを組み合わせた双方向コミュニケーションが支持を集めています。

参考:FIND MODEL インフルエンサー事例集 https://find-model.jp/insta-lab/tourism-foreigner-pr-influencer/

ライブコマースの活用法

ライブ配信とEコマースを融合させた「ライブコマース」は、中国市場で急成長を遂げている販売手法のひとつです。
特に、淘宝ライブ(Taobao Live)や抖音ライブ(Douyin Live)などでは、配信中に視聴者が即購入できる仕組みが整っており、商品の紹介と購買行動がリアルタイムに繋がっています。

ライブコマースでは以下のような工夫が重要です。

  • 商品のデモンストレーションや使用シーンの紹介
  • 限定キャンペーンや割引の提示
  • 視聴者とのリアルタイムな対話(コメント対応、質問回答など)

これにより、高いコンバージョン率とブランドエンゲージメントを実現することが可能になります。

参考:CBN China マーケティングレポート https://www.cbn.co.jp/archives/3934

ショートビデオを活用したプロモーション

ショートビデオは、瞬時に注目を集めるための優れたツールです。
特に、15〜60秒程度の動画コンテンツは視聴のハードルが低く、拡散性も高いのが特徴です。

プロモーションにおいては、以下のような要素を組み込むと効果的です。

  • ストーリーテリングの要素(感情・共感・驚きなど)
  • BGMや字幕を駆使した没入感の演出
  • ハッシュタグチャレンジやキャンペーン連動

また、視覚的インパクトやブランドロゴの自然な挿入を意識することで、ブランド認知向上につながります。

参考:エンジョイジャパン 中国動画マーケティング入門 https://enjoy-japan.jp/column/china-marketing/china-video-marketing/

中国の動画市場での注意点

中国の動画マーケティングに取り組む際には、プラットフォームの選定やコンテンツの制作だけでなく、市場特有の規制や法的な注意点についても十分な理解が求められます。

以下に、中国市場での動画プロモーションにおいて特に留意すべきポイントを解説します。

合法サイトと違法サイトの区別

中国では、政府のインターネット監督機関(国家インターネット情報弁公室など)によって認可された合法な動画サイトのみがビジネス利用可能です。違法とされる動画サイトを利用してプロモーション活動を行うと、ブランドイメージの毀損や法的リスクを招く可能性があります。

たとえば、未認可の動画共有サイトや、著作権を侵害しているコンテンツを多数含むプラットフォームで広告を出すことは、現地企業との信頼関係に悪影響を与える恐れがあります。

そのため、以下のような対応が求められます。

  • 利用予定のプラットフォームが中国政府の認可を受けているかを確認する
  • 現地の代理店や専門家と連携し、合法性を担保する
  • ユーザーから信頼されている大手プラットフォーム(例:Douyin、Bilibili、iQIYIなど)を選定する

中国特有の規制とその影響

中国では、インターネットコンテンツに関する法律や規制が非常に厳格です。
たとえば、外国企業による情報発信には検閲や制限が課されることがあり、センシティブなテーマ(政治、宗教など)は原則として扱わないのが一般的です。

また、動画コンテンツの投稿・配信に関しては以下のような制限が存在します。

  • 未成年への配慮に基づく放送時間の制限(例:ゲーム動画の配信時間規制)
  • 表現の自由を制限する禁止事項(例:暴力的・過激な表現)
  • 海外拠点からの配信に対する検閲強化

これらの規制を遵守しない場合、アカウント停止や罰金、最悪の場合は業務停止に至るリスクもあるため、常に最新の法令・運用基準をチェックする必要があります。

中国での動画施策を成功させるには、コンプライアンス意識を持ったマーケティングが前提となるのです。

参考:中国国家インターネット情報弁公室(CAC) https://www.cac.gov.cn/

中国向け動画マーケティングの今後

最新トレンドと将来の展望

中国の動画マーケティングは、近年ますます多様化し進化を遂げています。2024年時点で注目されているのは、AI生成コンテンツ(AIGC)の急速な普及です。AIを活用した短尺動画や、バーチャルインフルエンサーの登場により、企業はコストを抑えつつ魅力的なコンテンツを制作できるようになりました。

また、Z世代やα世代を中心とした新しいユーザー層の台頭により、エンタメ性・没入感のあるコンテンツが求められる傾向も強まっています。これに対応する形で、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)技術を取り入れたプロモーションも徐々に浸透しつつあります。

さらに、中国政府が主導する「デジタル経済の高度化」政策により、ライブコマースや動画広告への投資が引き続き拡大する見通しです。今後は、インタラクティブ性や視聴者との双方向性を重視した動画プロモーションがスタンダードになっていくと考えられます。

新しいプロモーション手法の開発

今後の中国市場における動画マーケティングでは、従来の動画投稿・広告配信にとどまらず、参加型・体験型コンテンツの開発が成功の鍵を握るとされています。

たとえば

  • ユーザー参加型のキャンペーン(UGC)
  • ミニドラマ形式でブランドメッセージを伝える連載型動画
  • 教育系動画やエンタメ要素を組み合わせたハイブリッドコンテンツ

これらはすでにWeChat ChannelsやBilibiliなどで実施例が増加しており、視聴者とのエンゲージメントを高める施策として有効です。
また、今後はリアルタイムAI翻訳や自動字幕生成ツールの精度向上により、より多言語・多文化対応型の動画制作が加速することが期待されます。

企業はこうした技術トレンドと消費者行動の変化を敏感に捉え、柔軟かつ創造的なマーケティング手法の導入が求められています。

まとめと今後のステップ

中国動画サイトを活用するための鍵

中国市場は、独自のSNS・動画プラットフォームが発展しており、日本企業がマーケティング活動を展開するには、その特性を十分に理解する必要があります。
成功の鍵となるのは、以下のようなポイントです。

  • プラットフォームごとの特性理解:Bilibili、Douyin、Kuaishouなど、それぞれのユーザー層やアルゴリズムの特性を分析し、適切な動画形式を選ぶことが重要です。
  • 現地パートナーとの連携:インフルエンサーや現地のプロダクション企業と連携することで、文化的背景やユーザー心理に沿ったクリエイティブを実現できます。
  • 中国の法規制・検閲制度への対応:コンテンツ制作や広告出稿の際は、規制内容を事前に確認し、適切な内容と手続きを選びましょう。

今後のマーケティング活動への提言

中国の動画市場は今後も成長が続く見込みであり、新しい形式の動画コンテンツやAIによるパーソナライズが進展していくと予測されています。

その中で日本企業が競争力を維持・向上させるためには

  • 常に最新のトレンドを把握し、柔軟に戦略を更新する姿勢
  • エンタメ性と情報性を両立した動画企画を立案し、ユーザーとの継続的な関係を築くことが鍵
  • 定量・定性の両面から効果測定を行い、改善サイクルを高速で回すことでROIの最大化が可能

今後の中国市場におけるマーケティング活動は、単なる広告出稿を超え、ユーザーとの“共創”によるブランド体験づくりが主流となっていくでしょう。そのためには、深いインサイトと機動力を兼ね備えたパートナー選定が肝要です。

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