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中国は2024年時点で EC市場規模約2.99兆ドル(約462兆円)、世界EC市場の50.4% を占める世界最大のEC大国です(出典:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」 )。日本のEC市場規模(約26兆円)の 約18倍 にも及ぶ、圧倒的なスケールを誇ります。
ここ数年で大きな構造変化も起きています。長年シェア50%超を維持していた アリババグループの一強時代が終焉し、Tmall・JD・Pinduoduo・Douyin(抖音)の「4強時代」 に突入しました。特に 抖音(Douyin、中国版TikTok)は2024年シェア14.3%まで急拡大 し、京東・拼多多に並ぶ勢いで成長しています。
本記事では、中国EC市場の主要プラットフォーム、最新トレンド、日本企業の越境EC参入戦略までを2026年最新版でご紹介します。
中国の大手ECサイト・主要プラットフォーム6選

中国内で人気の大手ECサイトを5つピックアップしました。
天猫(Tmall)
天猫(Tmall)は2013年にアリババによって、開設されたECサイトです。中国国内向けのECサイトは天猫(Tmall)、海外法人向けのECサイトは天猫国際(T-MALL GLOBAL)と呼ばれています。
同じアリババグループが運営するECサイトは、淘宝網(タオバオワン)が有名ですが、淘宝網(タオバオワン)がCtoCサイトであるのに対して、天猫(Tmall)はBtoCサイトです。
BtoCタイプの中国EC市場では、天猫(Tmall)は60%に迫る圧倒的なシェアを誇っています。シェア率2位の京東商城(JD.com)が25%なので、天猫(Tmall)と京東商城(JD.com)で合わせて8割程度も市場の寡占が進んでいます。
なお、Tmallの親会社アリババグループの中国EC市場シェアは 2019年の51.0%から2024年には39.8%まで低下 しており、長年続いた一強時代は終わりを迎えています。ただし、依然として中国EC市場の 約4割を占める圧倒的なリーダー であることに変わりはありません。
京東(JD)
Tmallほどのシェアはないものの、全体の25%のシェアを抑えているのがJDです。
京東商城(JD.com)の呼称はジンドンといいます。先述の天猫(Tmall)についで市場のシェア率2位を誇るECサイトです。
前身は2004年にスタートしたPC機器の専門ECサイト京東多媒体網です。多くのユーザーからの要望に応え、事業展開を進めてきました。
PCなど家電量販店をバックグランドにもち、デジタル家電に強いECサイトとして名を馳せてきましたが、近年では、アパレルや食料品も扱うようになりました。
天猫(Tmall)はモールとして事業者へ店舗を提供して、出店料をもらうマーケットプレイス方式を採用していますが、京東商城(JD.com)は自社で仕入れてJD名義で販売する直販スタイルをとっています。
日本で言うと楽天とアマゾンの違いと同じです。
2024年時点での京東のシェアは 16.5% で、ここ数年は安定して2位の地位を維持しています。物流とデジタル家電に強い特徴は引き続き健在で、日本企業の越境EC参入先としても JD Worldwide(京東国際) は有力な選択肢です。
拼多多(Pinduoduo)
拼多多(Pinduoduo)は元グーグルのエンジニアによって設立されたECサイトです。読み方はピンドゥオドゥオ。
設立から3年後の2018年に米国ナスダック市場への上場を果たしました。利用者数はアリババグループが運営するCtoCのECサイト「Taobao(淘宝=タオバオ)」に迫る勢いです。
拼多多(Pinduoduo)は、地方都市に住む低所得者層や、WeChatとの連携によって成功を集中に収めました。
シェア率トップの天猫(Tmall)は、高所得者層をターゲットに高級品の販売を訴求ポイントとしていますが、拼多多(Pinduoduo)は、生活必需品を格安で販売することを強みとしました。WeChatとの連携によって、さまざまなサービスを展開し、グルーポン型サービスも功を奏しています。
2024年時点での拼多多のシェアは 16.4% で、京東と肉薄するレベルにまで成長しました。さらに、拼多多が運営する 海外向けプラットフォーム「Temu」が2023年以降、米国・欧州・日本など世界中で急拡大 しており、Pinduoduoグループは中国国内だけでなくグローバル展開でも存在感を増しています。
唯品会(Vipshop)
唯品会(Vipshop)は2008年に中国の広東省広州市で設立されました。2012年にはアメリカのNY証券取引所へ上場。2017年6月には会員数3億人を突破するなど、順調な成長を見せています。
アパレルやアクセサリーに強みを持つ唯品会(Vipshop)の快進撃を支えたのは、フラッシュセールスという特徴的なビジネスモデルです。
フラッシュセールスは、割引サービスや特典を用いて期間限定の割引セールを行う手法です。一定期間の間に、多くのクーポンや特典を投下し売上をあげます。
アマゾンのタイムセールやブラックフライデー、楽天の期間限定ポイントなどもフラッシュセールスに分類されます。
海外のブランドから直接仕入れているため、非正規品や偽物が届かない安心感も人気のポイントです。
RED(小紅書)
RED(小紅書)はSNS型ECアプリという中国でも珍しいスタイルをとっています。中国はもとより世界のEC市場のなかでも珍しいECサービスです。
Instagramとアマゾンを合体させたようなモバイルに特化したECサイトで、手軽さによって新しいユーザーを獲得しています。
RED(小紅書)はSNSからサービスをスタートしました。当初は、ユーザー間で口コミなどの商品情報を交換し合うSNSアプリでしたが、その後、ユーザー間で紹介された商品を購入したいという要望があり、2014年にECサービスが実装され、SNS型ECアプリが実現しました。
2018年には登録ユーザー1.2億人を突破。ユーザー層は18歳から35歳の女性で構成されており、スキンケア、メイク、ファッション、ベビー用品に人気が集まっています。
抖音電商(Douyin EC、中国版TikTok EC)
抖音(Douyin)は、中国版TikTokを運営するByteDance社が手掛けるショートビデオ・ライブコマースプラットフォームです。
注目すべきは、2020年代に入って抖音電商(Douyin EC)が中国EC市場の主要プレイヤーへと急成長した ことです。2023年時点でシェア11.4%、2024年には14.3%まで拡大 し、Tmall・JD・Pinduoduoに次ぐ4番目のECプラットフォームとなりました。さらに 2026年にはシェア16%程度まで拡大し、京東・拼多多と並ぶ規模になる と予測されています(出典:経済産業省 令和6年度 電子商取引に関する市場調査)。
抖音電商が急成長した3つの理由
- ショート動画×ライブコマースの融合:商品紹介動画から直接購入できるシームレスな購買体験
- インフルエンサー(KOL/KOC)経済の中核:李佳琦(Austin Li)などのトップライバーは1回のライブで数十億円の売上を記録
- 若年層への圧倒的なリーチ力:Z世代・α世代の購買行動の中心が抖音にシフト
日本企業も「Tmall・JD・抖音電商」の3面展開が標準化しつつあります。抖音活用については、中国インフルエンサープロモーション(RED-小紅書) などの自社サービスもご参照ください。
中国EC業界の大手企業トップ4(2024年最新)
中国EC業界における大手企業のトップ4は、2024年時点で以下の通りとなっています。
| 順位 | 企業 | 2024年市場シェア | 2019年比較 |
|---|---|---|---|
| 1位 | アリババグループ | 39.8% | 51.0% → -11.2pt |
| 2位 | 京東グループ | 16.5% | 17%前後(横ばい) |
| 3位 | 拼多多グループ | 16.4% | 13.2% → +3.2pt |
| 4位 | ByteDance(抖音) | 14.3% | -%(新規参入) → +14.3pt |
上位4社で 全体の87.0% を占めており、アリババ一強時代は終焉を迎え「4強時代」に突入しました。それぞれの企業について売上や事業内容、トップである理由などを解説しますので、内容を見ていきましょう。
1.アリババグループ
アリババグループは、中国のEC市場における圧倒的なリーダーです。2019年には市場シェアが 51.0% と過半数を超えていましたが、2024年には 39.8% まで低下。京東・拼多多・抖音の追い上げを受けながらも、依然として中国EC市場の約4割を占める巨大プラットフォーマーです。
アリババグループはさらに タオバオ(淘宝、CtoC)・天猫(Tmall、BtoC)・天猫国際(Tmall Global、越境EC) の3つのプラットフォームに分かれており、それぞれ異なる消費者層をカバーしています。幅広い商品ラインナップは中国消費者から高い評価を得続けています。
2021年4月には、独占禁止法違反として中国の国家市場監督管理総局から罰金刑を受けたこともありましたが、その後はECサイトの運営だけでなく、AI・クラウド・物流・小売業界のデジタル化にも積極的に投資し、事業ポートフォリオを多角化しています。
2.京東グループ
京東グループは、中国のEC市場でアリババグループに続く2位の地位を維持しています。2024年時点の市場シェアは 16.5% で、ここ数年は16%前後の水準で安定して推移しています。
売上ベースで見ると、京東グループは高単価のデジタル家電やコスメに特化した商品を揃えていることから、シェアの割に売上高は高く、アリババグループに肉薄しています。 自社で商品を仕入れて販売する直販スタイル が、消費者に「正規品が確実に届く」という信頼性を提供し、ロイヤルティの高いユーザー層を確保しています。
中国からAmazonが撤退した2019年以降、京東グループは品質志向のユーザーにとって最も信頼できるプラットフォームの一つとして人気を維持しています。
3.拼多多グループ
拼多多グループは、中国のEC市場で京東グループに肉薄しながら、アリババグループを追いかける位置にあります。
拼多多は大手EC企業の中ではスタートが遅く、2015年より事業が開始されました。しかし、その後急激に市場規模を拡大し、2024年時点でのシェアは 16.4% と京東(16.5%)にほぼ並んでいます。さらに、2023年に欧米・日本向け海外プラットフォーム「Temu」をリリースし、世界中で急速にユーザーを獲得 していることも注目ポイントです。
拼多多の最大の特徴は 「同じ商品を購入するユーザーが多いほど商品単価が下がる」共同購入モデル です。WeChat連携によるSNS拡散と低単価戦略で、地方都市や低所得者層を中心に圧倒的な支持を獲得しました。近年では中国全体の若年層に広がる 「消費降級(コスパ志向)」 の追い風も受けて、シェアを伸ばし続けています。
4.ByteDance(字節跳動/抖音)
ByteDance(字節跳動)は、中国版TikTokである 抖音(Douyin) や、海外版TikTokを運営する企業です。EC事業としては「抖音電商」を展開しており、ショートビデオ・ライブコマースを起点としたD2C型の販売モデルで急成長しています。
2017年にはほぼ無視されていたByteDanceですが、2023年シェア11.4% → 2024年14.3% と短期間で大きく拡大し、4番目のECプラットフォームの地位を確立しました。2026年には京東・拼多多と並ぶ16%水準まで成長する との予測も出ています。
ByteDanceの強みは、TikTok/Douyinで形成された巨大なユーザーベース(中国国内だけで月間アクティブユーザー約8億人) を活かしたコンテンツ起点の購買誘導力です。動画視聴中に商品紹介→ライブ配信→即購入というシームレスな顧客体験は、特にZ世代・若年層の購買行動の中心を占めるようになりました。
日本企業にとっても、Tmall・JDに加えて 抖音電商 を絡めた3面展開が、中国EC成功の標準スタイルになりつつあります。
中国ECサイトで成功した日本企業の事例
そんな中、日本企業の多くが中国EC市場で成功しています。特に、化粧品、食品、アパレル分野では、日本製品の高品質が評価され、中国ECサイトを活用した越境ECでの販路拡大が進んでいます。
成功事例:資生堂
天猫国際とRED(小紅書)を活用し、ブランドストーリーを発信。中国市場向け製品開発にも注力し、高級スキンケアブランドとして確立しています。
特筆すべきは、中国人女性に化粧品ブランドの認知度を調査した結果で「資生堂」が圧倒的1位を獲得 している点です(出典:株式会社ヴァリューズ「中国人女性の日韓化粧品ブランド認知・購入状況調査」)。リピート率においても他社を群を抜いて上回り、中国EC市場における日本ブランドの代表格として確固たる地位を築いています。RED(小紅書)でのKOL・KOC連携、Douyinライブコマースでの新製品発表など、中国独自の販売チャネルを最大限活用しているのが成功の要因です。
成功事例:ユニクロ
京東や天猫での販売を強化し、ECと実店舗を連携させた オムニチャネル戦略 が成功しています。中国国内に展開する数百店舗とECサイトを完全連動させ、「店舗で試着→ECで購入」「ECで購入→店舗受け取り」など多様な購買導線を提供しています。さらに、独身の日(11月11日)セールでの売上トップ常連 であり、毎年大規模なライブコマース施策とKOL連携を実施。アパレル業界における中国EC成功モデルとして注目されています。
成功事例:ヤーマン
美容健康機器メーカーのヤーマンは、中国向け越境ECで大きな成果を挙げています。2024年の 独身の日(11月11日)セールにおいて、中国最大級のECサイト「Tmall」の電子美容機器カテゴリで1位を獲得(対前年比販売実績66%増)。成功の鍵は、現地の購買体験に最適化された ライブコマース活用 にありました(出典:YA-MAN プレスリリース)。美容健康機器は「使用感や使い方を文章で伝えにくい」商材ですが、ライブ配信で実演しながら視聴者の質問に即答することで、購買意欲を効果的に高めることに成功しています。
日本企業が中国ECサイトで成功するためのポイント
成功のポイントとしては、日本企業が中国ECサイトで成功するために、以下の点を意識することが重要です。
1. 現地ニーズに適応
中国市場は地域ごとに消費者の嗜好や購買行動が異なり、日本市場とは大きく異なる傾向があります。そのため、以下の点を意識した商品展開が求められます。
- 商品ローカライズ:成分やパッケージデザイン、商品説明を中国の消費者向けに最適化する。特に「美白」「抗酸化」「無添加」などのワードが好まれやすい。
- 価格帯の調整:中国の消費者は価格に敏感であり、特に割引やプロモーションを重視するため、販売戦略にフラッシュセールやクーポン施策を組み込む。
- 人気カテゴリの把握:スキンケア・健康食品・母子用品・美容家電など、日本製品の人気が高いカテゴリーを活かした展開が有効。
2. SNS・ライブコマースの活用
中国の消費者はECサイトでの購入前にSNSを活用して情報収集を行うため、適切なマーケティング戦略が必要です。
- WeChat公式アカウント & ミニプログラム:ブランドの公式アカウントを開設し、ユーザーとのダイレクトなコミュニケーションやECへの誘導を行う。
- RED(小紅書)での口コミマーケティング:インフルエンサー(KOL/KOC)を活用し、ユーザーに実際の使用感や口コミを発信してもらい、信頼性を向上させる。
- ライブコマースの活用:タオバオライブや抖音(Douyin)ライブを活用し、リアルタイムで商品を紹介しながら販売を促進。視聴者限定の割引やプレゼントを用意し、購買意欲を高める。
3. 越境ECの活用
中国EC市場で日本企業がスムーズに参入するためには、越境EC(CBEC:Cross-Border E-Commerce)を活用することが有効です。
- Tmall Global(天猫国際)への出店:中国国内法人なしで出店が可能なため、初めて中国市場に参入する企業にとって適したプラットフォーム。
- JD Worldwide(京東国際)やKaola(網易考拉)との比較検討:ターゲット層や販売手数料、物流の仕組みを考慮し、自社に最適なプラットフォームを選定。
- 越境物流とフルフィルメントの最適化:現地の倉庫や通関業務の代行サービスを活用し、配送時間を短縮することで、消費者の満足度を向上させる。
これらのポイントを押さえることで、日本企業が中国EC市場での成功確率を高め、競争力のある販売戦略を展開することが可能になります。
中国ECの成長事情

中国のEC市場は世界最大規模を誇ります。経済産業省の最新調査によると、2024年の中国EC市場規模は約2.99兆ドル(約462兆円)に達し、世界EC市場の50.4% を占めています。2027年には約3.97兆ドル(約615兆円)まで拡大する見込みです。
参考として、世界各国の比較は以下の通りです。
| 順位 | 国・地域 | 2024年EC市場規模 | 世界シェア |
|---|---|---|---|
| 1位 | 中国 | 約2.99兆ドル(約462兆円) | 50.4% |
| 2位 | アメリカ | 約1.16兆ドル(約180兆円) | 19.5% |
| 3位 | 日本 | 約26兆円 | 約3% |
中国のオンラインショッピング利用者数は 約8億8,765万人(全人口の74.2%)に達しており、ネットショッピングが日常生活に完全に組み込まれている状況です。日本のEC市場の 約18倍 という圧倒的なスケールが、世界中の企業を中国EC市場に引き寄せる要因となっています。
中国ECサイトの成長を支える3つの要因

中国EC市場の急成長の背景には、インターネットの普及やデジタル決済の進化があります。
- インターネットの普及:地方でもEC利用が増加。
- デジタル決済の普及:WeChat PayやAlipayで利便性向上。
- 新型コロナの影響:巣ごもり消費拡大でオンライン市場が急成長。
1. インターネットの普及:地方でもEC利用が増加
中国政府はインフラ整備を積極的に推進し、5Gネットワークの展開を加速させた結果、地方でもインターネット環境が飛躍的に向上しました。これにより、都市部だけでなく、農村部の消費者もスマートフォンを通じてECを利用しやすくなりました。特に、モバイルEC(mコマース) の普及が地方市場の拡大に寄与しています。
また、中国EC市場では ライブコマース(生放送EC) が急成長しており、地方の消費者もリアルタイムで商品情報を得ることが可能になりました。たとえば、農村部の農産物を都市部の消費者に直接販売する「農村ライブコマース」も増えています。このように、インターネットの普及は、地方市場のEC利用を促進し、中国全体のEC市場拡大につながっています。
2. デジタル決済の普及:WeChat PayやAlipayで利便性向上
中国では、現金の使用がほとんどなくなり、モバイル決済が主流 となっています。特に、WeChat Pay(微信支付) や Alipay(支付宝) は、QRコード決済を通じて簡単に支払いができるため、ECサイトとの親和性が非常に高くなっています。
さらに、後払い決済(BNPL:Buy Now, Pay Later) のサービスである「花呗(フアベイ)」や「京东白条(JD Baitiao)」などが普及し、若年層の消費者も手軽にECを利用できる環境が整いました。また、中国政府が進める デジタル人民元(e-CNY) も今後のEC市場の発展に寄与すると考えられています。
デジタル決済の普及により、消費者はスムーズに買い物ができるようになり、EC市場の成長をさらに加速させています。
3. コロナ禍を経たオンライン消費の定着とライブコマースの主役化
2020〜2022年の新型コロナウイルス感染拡大時、中国では長期間のロックダウンが実施され、多くの消費者が外出を控えるようになりました。その結果、巣ごもり消費 が急拡大し、EC市場の成長が一気に加速。食品・生鮮品のオンライン販売 や、ライブコマースが爆発的に成長しました。
コロナ収束後の2024〜2026年現在、この流れは完全に定着しています。ポストコロナの中国EC市場では、以下の3つのトレンドが特に重要です。
- ライブコマースの主役化:中国の有名KOL「李佳琦(Austin Li)」は1回のライブ配信で数十億円の売上を記録するなど、ライブ販売が中国EC市場の中核チャネルに
- 生鮮EC・即時配送の標準化:盒马鮮生(Hema Fresh)や京東到家(JD Daojia)などにより、生鮮品も30分配送が当たり前に
- 抖音電商の主要プラットフォーム化:ショート動画→ライブ→即購入のシームレスな顧客体験が新標準に
詳しくは 中国のECで急成長するライブコマース市場 もご参照ください。
中国ECサイトにおけるキャッシュレス化の進展
また、中国ECサイトの成長の背景として、国によるキャッシュレス化を推し進める政策が大きく関わっています。特に、中国は世界の中でもっともキャッシュレス化が進んでいる国といわれています。
中国政府が打ち出したインターネット+は、あらゆるIT技術を駆使して、ECサイトやインターネット金融の分野をより強固に拡大していくとしたもので
- 決済
- 振り込み
- 貸付
- 保険購入
の分野では、特にキャッシュレス化が進んでおり、現金はほぼ使わない取引が成立しています。
キャッシュレス化の促進は、中国のEC市場を大きく変容させました。中国のデジタル決済市場はアメリカをしのいでおり、今後はさらなる拡大が見込まれています。
今後、キャッシュレス決済の市場は中国が世界を牽引し続けるでしょう。
中国市場の前にまずは、キャッシュレス化が進む米国への進出を検討している方は、こちらの資料『米国No.1のECモール Amazon攻略法徹底解説』をチェックして、米国市場での成功戦略を習得してください。
中国ECで抑えるべきイベント
独身の日オンラインセール
11月11日の独身の日は、中国では光棍節と呼ばれています。中国語で光棍は独り身、節は祝日を表します。
光棍節は、独身の人が集まってお祝いをする日として認識されている日です。中国の大手ECサイト、アリババは独身の日にビジネスチャンスを見出しました。
2009年から自社サイトの「Tmall(天猫)」で大規模セールを敢行し、一躍ブームとなりました。独身の日は今では中国全土で行われる大規模なオンラインセールとなっています。
中国では独身の日を双11や双十一とよばれ、親しまれています。
独身の日のオンラインセールは、中国のECサイトの隆盛を表す現象とも見ることができます。
どのようなトレンドが形成されているのか、おさえておきたいポイントです。
中流階級・富裕層の増加
中国のEC市場拡大の背景には、中国国内の中流階級や富裕層の増加に伴う消費の拡大が挙げられます。
もともと中国人の消費行動は豪快です。経済状態の好転によって、新たに富裕層や中流階級が増加し、本来の消費行動が顕在化したのです。
最近では、以前ほど訪日中国人による爆買いが見られなくなりました。あえて訪日しなくとも、中国のECサイトで対応できるようになりつつあるためです。
旺盛な消費行動が注目されがちな中国人ですが、より良いものを買いたいという心理も持ち合わせています。品質の良い日本の商品を中国ECで販売できれば、ある程度の成果を見込むこともできるでしょう。
中国ECは、チャンスがあれば積極的に狙いたい市場です。
CtoCからBtoCにトレンドが変化している理由
これまでの傾向を見ると、中国におけるインターネット上の取引では、CtoC(Consumer to Consumer)である個人間取引が基本でした。
しかし、「BTMU(China)経済週報 2017年6月21日 第353期」を見ると、2015年にはBtoC(Business to Customer)がCtoCの取引額を上回り、その後もBtoCの取引額は緩やかに増加しています。
BtoCモデルが増加した理由として、中国のネット通販市場が成熟化したことに加え、安さよりも質を求めるようになった消費者にとって「天猫(Tmaill)」や「京東(JD.com)」などのサイトが信頼されていることが挙げられます。
また、キャッシュレス決済の定着もBtoCのECサイトが普及した要因の一つです。

引用:BTMU(China)経済週報 2017 年 6 月 21 日 第 353 期
【最新】中国のEC業界のトレンド・傾向

チャットAIの活用による省人化
日本でも少しづつ活用され始めていますが、中国ECサイトは顧客満足度アップを図るため、チャットAIが積極的に導入されています。
チャットAIの発展にはいくつかの背景があります。
- 偽物商品と本物商品の見極めのための問い合わせ対応
- エビデンスの確保
中国では偽物商品の販売が多く、購入前の事前確認は必須です。電話だと繋がりにくく、メールでは返信に時間がかかります。
そこで、オートマチックでレスポンスの早いチャットAIが採用されているのです。
チャットではテキストが残るため、証拠としても役立ちます。
ECサイトにも最適化されたアリババのスマートスピーカー「Tmall Genie」
アマゾンやグーグルからリリースされているスマートスピーカは、多くの人に利用され、広い認知度を誇っています。
グーグルやアマゾンとは縁が薄い中国では、アリババが提供するスマートスピーカー、「Tmall Genie」が発売され、好評を博しています。
「Tmall Genie」の主な機能は以下のとおりです。
- 音楽再生機能
- ニュース読み上げ機能
- スマートフォームの制御
- ECサイト「Tmall」での買い物
基本的な機能はアマゾン・エコーとおおよそ同じです。使いこなすことができれば、より生活が便利になるでしょう。
Temu・SHEINの台頭:中国発グローバルEC勢の世界制覇
2023年以降、中国EC市場の新たなトレンドとして Temu(拼多多の海外版)とSHEIN(中国発ファストファッション)の世界進出 が注目を集めています。
- Temu:拼多多グループが運営する海外向けECで、極めて低価格な商品を世界中に展開。日本・米国・欧州で2023〜2025年にかけて爆発的にユーザー数を伸ばし、Amazonの主要対抗馬として浮上
- SHEIN:中国発のファストファッションECで、世界で月間アクティブユーザー数は数億人規模。AIによる需要予測と超高速プロダクションサイクルで世界中の若年層を獲得
これらの中国発グローバルECは、もはや「中国国内のEC」というカテゴリを超えて 世界EC市場の主要プレイヤー となっています。日本企業にとっても、中国本土向けの越境EC施策だけでなく、「中国発グローバルEC」と競争・協業する戦略が求められる時代です。
「消費降級」と「国貨潮」:2024〜2026年の中国消費者トレンド
中国の若年層を中心に、「消費降級」(コスパ志向) と 「国貨潮」(国産ブランド志向) という2つの大きなトレンドが進行しています。
- 消費降級:かつての「高級ブランド志向」から、コスパ重視・節約志向への転換。拼多多や抖音電商の急成長を支える背景
- 国貨潮:中国国産ブランド(華為、シャオミ、安踏など)への支持拡大。海外ブランド一辺倒だった消費者意識の変化
ただし、日本製品については「高品質・安心」というブランドイメージが依然として強く、化粧品・健康食品・母子用品・美容家電などのカテゴリでは引き続き高い人気 を維持しています。日本企業の中国EC参入では、こうした消費者トレンドを踏まえた戦略設計が重要です。
中国マーケティング戦略の全体像については、【2025年版】中国マーケティングの基本概念と4ステップの拡大戦略 もご参照ください。
中国のEC市場で人気なライブコマースプラットフォーム3選
ライブコマースとは、SNS上などでのライブ配信で消費者と配信者がコミュニケーションを取り、消費者の商品購入を促す販売方式です。ここでは、中国のEC市場で人気のライブコマースプラットフォームとして、次の3つを紹介します。
- 淘宝直播
- 快手LIVE
- TikTok
それぞれのプラットフォームについて、概要や人気の理由を見ていきましょう。
関連リンク:https://lifepepper.co.jp/china/live-commerce/
淘宝直播
淘宝直播は、アリババグループ傘下の淘宝が提供するライブコマースプラットフォームで、ECサイトを持つ販売事業者に利用されます。
パソコンやアプリから利用でき、マーケティングにも役立つ分析ツールが提供されています。その人気の理由は、多様な商品やブランドの宣伝や販売がリアルタイムで行え、消費者との対話が直接可能なためです。
快手LIVE
快手LIVEは、事前に撮影したショートムービーやライブ映像を配信できるライブコマースプラットフォームです。特に、10代から20代の若者を中心に人気であり、地方都市でも高い支持を受けています。
若年層のモバイルユーザーをターゲットにしたプラットフォームとして、幅広いユーザー層を獲得するのに向いているでしょう。
関連リンク:https://lifepepper.co.jp/china/kuaishou/
抖音(Douyin、中国版TikTok)
抖音(Douyin)は、中国版TikTokであり、中国EC市場でシェア14.3%を握る主要ECプラットフォームの1つ です(2024年実績)。TikTokを運営するByteDance(字節跳動)が手掛けるショートビデオ・ライブコマース統合型プラットフォームで、2023年シェア11.4%→2024年14.3%と短期間で急拡大しました。
抖音電商(Douyin EC)の特徴
- ショート動画→ライブ→即購入のシームレス導線:ユーザーが動画を見ながら、そのまま商品ページに遷移して購入できる
- KOL/KOC経済の中核プラットフォーム:李佳琦・薇娅(Viya)など、トップライバーの主戦場
- 若年層への圧倒的なリーチ:中国国内で月間アクティブユーザー約8億人、Z世代・α世代の購買行動の中心
なお、海外版TikTokでも 「TikTok Shop」 がリリースされ、日本・米国・東南アジアなどでEC機能が展開されています。中国本土の抖音電商と組み合わせることで、グローバルなEC戦略を構築できる時代になりました。
抖音や中国インフルエンサーの活用法については、中国インフルエンサープロモーション(RED-小紅書) でも詳しく解説しています。
ライブコマース以外にも海外で成功するECマーケティングのポイントを学びたい場合は、『米国No.1のECモール Amazon攻略法徹底解説』が参考になるでしょう。今すぐ無料でダウンロードできます。
中国EC市場参入に関するよくある質問
Q1. 中国EC市場の規模はどれくらいですか?
2024年時点で 約2.99兆ドル(約462兆円) に達しており、世界EC市場の50.4%を占める世界最大の規模です。これは日本のEC市場(約26兆円)の 約18倍 に相当します。今後も2027年に約615兆円規模まで拡大する見込みです。
Q2. 日本企業はどのプラットフォームから参入すべきですか?
事業内容や予算により異なりますが、一般的な目安は次の通りです。
- 品質志向の高単価商品(化粧品、健康食品、家電など):Tmall Global(天猫国際) から始めるのが鉄板
- コスパ重視の生活用品:Pinduoduo や Temu が有力
- 若年層向け・トレンド商品:RED(小紅書) と 抖音電商 を活用
- デジタル家電・電気製品:JD Worldwide(京東国際) が強い
複数チャネルでの並行展開を行うことで、リスク分散と相乗効果を狙えます。詳しくは中国向け越境EC出店代行サービス でもご相談を承っています。
Q3. 抖音電商(Douyin EC)への参入は本当に必要ですか?
ターゲットがZ世代・若年層であれば、ほぼ必須と考えてください。抖音電商は 2024年シェア14.3%、2026年予測16% と急成長中で、特に若年層の購買行動の中心になっています。一方、高齢層や品質志向の高単価層がメインターゲットであれば、TmallやJDの方が効果的です。
Q4. 中国EC市場で日本製品はまだ売れますか?
「国貨潮」(国産ブランド志向)の影響で全体的に競争は激化していますが、化粧品・健康食品・母子用品・美容家電 など、品質と安心感が重要なカテゴリでは日本製品は引き続き高い人気を維持しています。資生堂やヤーマンなど、明確な成功事例も多数あります。重要なのは 「日本ブランド」だけに頼らず、現地ローカライズ・ライブコマース・KOL連携を組み合わせた戦略設計 です。
Q5. 中国越境EC参入を相談したい場合、どこに相談すればよいですか?
LIFE PEPPERでは、1,000社以上の海外マーケティング支援実績 をもとに、Tmall Global・JD Worldwide・抖音電商・RED小紅書など主要プラットフォームへの出店代行、現地ローカライズ、ライブコマース、KOL/KOC連携までワンストップでご支援しています。詳細は中国向け越境EC出店代行サービス または本記事末尾のお問い合わせフォームよりご相談ください。
日本は今が中国で越境ECを行うチャンス?
中国人の日本商品に対する信頼の高さは、今も変わりはありません。ECサービス情報サイトのエビスマートメディアによると、2018年は越境ECによって中国から約1.5兆円の購入がありました。
良い日本商品を、越境ECで売ればそれなりの成果を見込むことができます。
参考:エビスマートメディア
関連リンク:これからの越境ECについて
中国向けマーケティングならLIFE PEPPER
LIFE PEPPERは創業以来10年間で1000社以上のマーケティング支援実績を積み重ねてきました。
その中でも、中国向けマーケティングは、もっとも得意とする分野です。中国は人口約14億人を擁する巨大な市場を持つ国として、ビジネス上の多くの魅力を有しています。
しかし、政治体制によるビジネスへの介入や国民性などわかりにくい点が多く、商圏へ進出しにくい面もあります。
LIFE PEPPERでは、数々の実績によって適切なマーケティングを行い、越境ECを成功へ導くノウハウをもっています。
良い商材があるのに、いまいちきっかけが掴めず前に進めない、というビジネスオーナーは一度LIFE PEPPERへ相談してみてはいかがでしょうか。
中国EC市場への参入をご検討の経営者・担当者様へ
LIFE PEPPERでは、1,000社以上の海外マーケティング支援実績 をもとに、中国EC市場参入をワンストップでご支援します。
- Tmall Global / JD Worldwide / Pinduoduo / 抖音電商 など主要プラットフォームへの出店代行
- RED(小紅書)・抖音 での中国KOL/KOC連携
- ライブコマース の企画・運営代行
- WeChat公式アカウント・ミニプログラム の運用
- 越境物流・通関 の現地パートナー連携
「中国EC市場でブランドを伸ばしたい」「日本製品の現地ローカライズが分からない」「ライブコマースを始めたい」などのご相談を、初回相談無料 で承っています。中国EC市場規模462兆円のチャンス、いまから本格的に動き出しましょう。
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おわりに
中国ECは、世界で最も注目を集めているマーケットの1つです。
近隣国である日本からも中国進出を目指して動いている企業は多く、越境ECビジネスへの参入を急ぐ動きも見られます。
巨大なマーケットを生かし、得意分野でしっかりとビジネスを展開していきましょう。
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この記事を書いた人
株式会社 LIFE PEPPER 編集部
LIFE PEPPERは、1,000社以上の海外デジタルマーケティング支援実績 をもとに、中国EC市場の出店代行(Tmall Global・JD Worldwide・抖音電商・RED小紅書)、ライブコマース運営、中国KOL/KOC連携、WeChat運用、越境物流支援など、日本企業の中国市場展開を多角的にサポートしています。
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