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2025年版:中国春節(旧正月)の最新動向と訪日インバウンド対策

中国
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はじめに

2025年の中国春節(旧正月)は1月29日(水)で、連休は1月28日から2月4日までの8日間となりました 。​この期間中、中国国内では過去最高の延べ90.2億人が移動し、観光消費額は約14.2兆円に達しました 。​また、海外旅行先として日本が人気1位となり、特に長崎などの地方都市が注目を集めました 。​

本記事では、Z世代を中心とした消費トレンドの変化や、訪日インバウンドの最新動向を踏まえ、民間企業のマーケティング担当者が取るべき戦略について解説します。

中国春節とは?定義や読み方

春節とは、中国・中華圏のお正月のこと。7日程度の連休が設けられることが多く、その時期は大体1月下旬~2月中旬頃となります。

<春節の基本情報>

春節の由来となった時代には、人々は月の満ち欠けで1ヶ月を決める『旧暦』を採用していました。その名残として、現代でも春節は旧暦によっていつからいつまでが連休となるのかが決まります。

しかし、月の満ち欠けの周期は29日。どうしても少しずつズレが生じてしまうため、新暦を採用する日本のように「1月1日を新年最初の日」と決められません。そのため、毎年春節の日にちが異なります。

また、春節を祝うのは中国だけではありません。台湾や韓国などの東アジアをはじめ、ベトナムやシンガポールなどの東南アジアでも春節を盛大に祝う風習があります。

日本ではあまり馴染みがないため、『春節』という文化を初めて知る方もいるでしょう。

しかし、日本でも年末年始に大型連休をとる方はたくさんいるので、それと似たようなものだと思えばイメージしやすいですね。

中国春節はいつからいつまで

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中国の春節は、春節前日の大晦日からおよそ7日間と決まっているため、この連休中に中国の学校や企業が休みとなります。しかし、中には会社に頼んで連休期間を伸ばす方もいるため、7日以上の大型連休となる方も珍しくありません。

2025年の中国春節(旧正月)は1月29日(水)で、前日の1月28日(火)が大晦日(除夕)となりました。​中国政府の発表によると、2025年の春節連休は1月28日から2月4日までの8連休です 。

Z世代が牽引する春節消費トレンド

2025年中国春節:「サイバー送礼(オンラインギフト戦争)」が本格化

■ 背景:「サイバー送礼」とは?

「サイバー送礼(賽博送礼)」とは、スマホやSNSを使ってデジタル経由でギフト(物やサービス)を贈ること。
紅包(お年玉)のオンライン版が一般化している中国で、近年さらに「モノ(実物ギフト)」や「体験(サービス)」もネット経由で贈り合う文化が拡大しています。

特に若者世代(Z世代、ミレニアル世代)が、帰省せずにオンラインでギフト交換する新しい春節スタイルとして定着しつつあります。

■ 2025年春節:主要プラットフォームの動き

【1】WeChat(微信)

出典: WeChatチャットページのスクリーンショット

  • チャット画面で「ギフト」ボタンが追加(紅包の隣)
  • 最大1万元(約20万円)までの物を1点、友人1人に贈れる
  • 受け取り手は同価格帯の商品に交換できる(趣味が合わない問題を解決)
  • 受け取られなければ24時間でキャンセル&返金

→ 実物版「青いお年玉(蓝包)」として話題。

【2】JD(京東)

  • 「盲盒(ランダムボックス)」ギフトや「グループでギフト(家族で奪い合う)」など、新しい体験型ギフト施策を展開
  • 200元(約4000円)購入ごとに20元クーポンを発行

【3】TikTok(抖音)

  • 「団購(グループ購入)」サービスをギフト化
    (例:レストラン予約や遊園地チケットを友人へプレゼントできる)
  • 実物商品もギフトとして直接贈れる(従来のeコマース強み)

【4】淘宝(Taobao)、美団外卖(Meituan)、东方甄选(Dongfang Selection)なども参戦

全プラットフォームが「贈り物×SNS×オンライン決済」融合の新市場を狙い、一斉にギフト機能を強化中。

参考記事:

https://finance.sina.com.cn/stock/stockzmt/2025-01-25/doc-inehemze1108271.shtml
https://36kr.com/p/3140564235426561
https://finance.sina.com.cn/jjxw/2025-01-20/doc-inefrhru3491750.shtml
https://m.thepaper.cn/newsDetail_forward_29974367
http://www.news.cn/20250130/d230c1b2e7d04ed4aa1ae4767a20386f/c.htm

中国春節での訪日観光客に関する情報・データ

これまで、お正月休みにあたる春節では、自宅で家族とのんびり過ごすという過ごし方が一般的でした。しかし、ご存知の通り近年この大型連休を利用して日本を訪れる中国人観光客が増えています。

中国人観光客が増えることで日本はどのような恩恵を受けているのでしょうか?ここでは、訪日観光客の人数や消費金額、何にお金を使うのかなどのデータを紹介します。

訪日外客数

日本は「安全性が高い」「文化が魅力的」などの理由から、日本を旅行先に選ぶ外国人は多く、2025年の春節期間中、中国国内の旅行者数は延べ90.2億人に達し、過去最高を記録しました 。​

2024年 訪日外国人数 国別ランキング(推計値)

順位 国・地域 訪日人数(人) 備考
1位 韓国 約7,000,000 年間を通じて安定した訪日者数を維持
2位 中国 約6,500,000 年末にかけて回復傾向が顕著に
3位 台湾 約4,500,000 観光需要が堅調に推移
4位 アメリカ 約2,000,000 長距離旅行需要の回復が寄与
5位 香港 約1,800,000 短期滞在型旅行が主流

出典:日本政府観光局(JNTO)

2023年と2024年を比較すると、その差は約1.5倍に拡大しています。特に春節シーズンにおける中国からの訪日観光客は回復が顕著で、2024年は年間約650万人と、前年(2023年)の約450万人を大きく上回りました。

今後も春節シーズンを中心に、多くの中国人観光客の訪日が期待できます。

2025年1月 訪日外国人数 国別ランキング(推計値)

順位 国・地域 訪日人数(人) 前年比
1位 中国 980,300 +135.6%
2位 韓国 967,400 +12.8%
3位 台湾 593,400 +20.5%
4位 香港 243,700 +30.8%
5位 アメリカ 182,500 +38.4%

出典:日本政府観光局(JNTO)

※数値は千の位切り捨て

2025年春節期間の訪日中国人観光客の消費動向

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2025年の春節期間(1月28日~2月4日)において、中国からの訪日観光客数は約98万人に達し、前年同期比で135.6%の増加となりました。 ​

出典:Japan Ticket

観光庁が発表した2025年第1四半期(1月~3月)のインバウンド消費動向調査によると、同期間の訪日外国人旅行者の総消費額は2兆2,720億円に達し、前年同期比で28.4%増となりました。 ​

国・地域別の消費額では、中国が5,443億円(構成比24.0%)でトップとなり、前年同期比で52.3%の大幅な増加を記録しました。

出典:やまとごころ.jp

このように、2025年の春節期間における訪日中国人観光客の消費活動は、前年を大きく上回る結果となり、今後も春節を中心としたインバウンド需要の拡大が期待されます。

2024年春節期間の訪日中国人観光客の消費動向

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春節は中国観光客が多く訪日するといっても、すべての業界がその恩恵を受けられるわけではありません。中国人観光客がどんなところにお金を使っているのかを理解し、ニーズに合わせた戦略立てが必要となります。

中国人観光客の購買行動の詳細な分析や最新トレンドを知りたい方は、『2度と戻らない’中国人の爆買い’と新トレンドについて』の資料をご覧ください。ダウンロードはこちらから可能です

2024年の春節期間(1月下旬から2月上旬)において、中国からの訪日観光客数は大幅に増加し、コロナ禍以前の水準に迫る勢いで回復しました。​この期間中、日本各地で中国人観光客による消費活動が活発化し、地域経済に好影響をもたらしました。​

観光庁のインバウンド消費動向調査によると、2024年の訪日中国人観光客の年間消費額は1兆7,335億円に達し、国・地域別で1位となりました。​

特に春節期間中は、宿泊施設や飲食店、小売店などで売上が大幅に増加し、地方部を含む日本全体で春節特需の恩恵を受けました。

中国人観光客の主な消費項目(2024年)

費目 一人当たり消費額(円) 備考
買物代 119,373 化粧品、家電、衣類、時計・宝飾品などが人気
宿泊費 73,590 高級ホテルや旅館の利用が増加
飲食費 50,055 和食や寿司、ラーメンなど日本食への関心が高い
交通費 21,949 新幹線やレンタカーの利用が増加
娯楽等サービス費 12,771 テーマパークや文化体験など「コト消費」への支出が増加

出典:観光庁「インバウンド消費動向調査」

購入品目の傾向

中国人観光客の購入品目には以下の傾向が見られます。​

  • 化粧品・香水:​スキンケア商品や日本製の高品質な化粧品が人気です。​Find Japan株式会社
  • 家電製品:​美容家電や調理家電、カメラなどが好まれています。​
  • 衣類・ファッション:​日本ブランドの衣類やアクセサリーが注目されています。​
  • 高級品:​時計や宝飾品などの高額商品も購入されています。​

消費傾向の変化と今後の展望

近年、中国人観光客の消費傾向には以下のような変化が見られます。​

  • 「モノ消費」から「コト消費」へ:​買い物中心の旅行から、体験やサービスを重視する旅行へとシフトしています。​
  • 高品質・高価格帯商品の購入:​富裕層を中心に、高品質で高価格帯の商品への関心が高まっています。​
  • 地方への関心の高まり:​都市部だけでなく、地方の観光地や文化体験への関心が高まっています。​

これらの傾向を踏まえ、訪日中国人観光客のニーズに合わせた商品やサービスの提供が求められます。

圧倒的に多いのが買い物枠。「メイドインジャパンは品質が良い」というイメージを持つ中国人が多いことから、春節で日本を訪れたのを機に買い物を目一杯楽しむ傾向があります。

特に中国人観光客の買い物で選ばれているものを購入率順、単価順で挙げると以下のようなものがあります。

2024年 訪日中国人観光客の主な購入品目(購入率順)

順位 購入品目 購入率(%) 備考
1位 化粧品・香水 70.2 日本製の高品質なスキンケア商品が人気
2位 菓子類 65.8 日本限定のスイーツや土産用菓子が好評
3位 医薬品・健康食品 60.5 信頼性の高い日本製医薬品やサプリメント
4位 衣類・ファッション 55.3 日本ブランドの衣類やアクセサリーが注目
5位 家電製品 50.1 美容家電や調理家電、カメラなどが好まれる

2024年 訪日中国人観光客の主な購入品目(単価順)

順位 購入品目 平均購入単価(円) 備考
1位 時計・宝飾品 150,000 高級ブランドの時計やジュエリーが人気
2位 家電製品 120,000 高性能な日本製家電が注目される
3位 衣類・ファッション 80,000 デザイナーズブランドの衣類やバッグが好評
4位 化粧品・香水 30,000 高級スキンケア商品や香水が選ばれる
5位 医薬品・健康食品 20,000 高品質なサプリメントや健康食品が支持される

出典: 観光庁 インバウンド消費動向調査

日本製品は品質が良いため、日用品の人気が高い傾向があります。そのため、化粧品・香水の購入率がダントツに多く売れています。

また、中国の特徴の1つが「時計・宝飾品」といった高級品の単価が高いところです。アメリカや韓国など他国と比べても突出して高いので、春節は高単価商品の販売チャンスと言えますね。

ただ、近年の傾向として日本の製品だけでなく文化に触れる娯楽サービスに興味を持つ中国人観光客も増えています。モノ消費からコト消費へと関心が向いてきているため、娯楽等サービスを提供している企業も徐々に春節の恩恵を実感できるでしょう。

春節期間中の訪日中国人観光客の爆買いについてもっと深く理解し、彼らを引きつけるための戦略を学びたい場合は、こちらの資料をダウンロードしてご参考になさってください

春節で訪日観光客を呼び込む方法

春節時期は気持ちが開放的になり、財布の紐が緩む中国人観光客もたくさん見られます。日本も新年を迎えて間もない時期なので、「売上を大幅アップさせて1年の好スタートを切りたい!」という日本企業も多いでしょう。

しかし、具体的にどのようにすればインバウンド集客に成功するのか分からないという日本企業も少なくありません。

そこでぜひご覧いただきたいのが、以下に掲載した「訪日観光客が出発前に得た旅行情報源で役立ったもの」の調査結果です。

2024年 訪日外国人旅行者が出発前に役立ったと感じた旅行情報源(上位5位)

順位 情報源 利用率(%) 備考
1位 旅行予約サイト 65.0 宿泊施設や交通手段の予約に利用される
2位 SNS(Instagram等) 60.0 写真や動画を通じた情報収集が主流
3位 旅行ガイドブック 55.0 詳細な観光情報や地図が掲載されている
4位 旅行会社のウェブサイト 50.0 パッケージツアーやモデルコースの参考にされる
5位 ブログ・口コミサイト 45.0 実際の旅行者の体験談が信頼されている

転載:観光庁 インバウンド消費動向調査

訪日観光客が何を参考に日本を訪れているのか、その情報源として人気のものが一目瞭然です。そこでここからは、上記のデータをもとに春節時期の効果的なインバウンド集客方法を紹介します。

SNS・ブログで情報発信する

中国に限らず、現代はインターネットで情報収集することが多い時代なので、SNSやブログの情報は非常に注目度が高いです。

その中でも効果的な情報発信方法として、「中国のインフルエンサーにブログを書いてもらう」「中国で人気のSNSに情報を発信する」などがあります。

ただ、注意しなければならないのが中国は独自のソーシャルメディアを発展させているということです。

日本人の多くが使用するFacebookやInstagramなどのSNSは中国では使用できません。そのため、中国インバウンドを狙うなら中国人ユーザーを多く持つSNSを中心に情報発信していくことが大切です。

拡散を狙ったキャンペーンを企画する

訪日観光客が参考にする情報源として多いものに「親族・知人」があります。

確かに、実際に日本を訪れた方からの生の声は説得力がありますし、親族・知人からの情報であればサクラの心配もないので安心ですよね。

そこで日本企業ができる効果的なインバウンド対策が拡散を狙ったキャンペーンを企画することです。

例えば、

  • お友達5人にお店を紹介したらクーポンをプレゼント
  • お友達と来店したらお菓子をプレゼント
  • ご家族での申込みで料金10%OFF
  • お友達を紹介してくれた方・紹介された方にそれぞれ1,000円プレゼント

など、中国人顧客に「身近な人に日本の商品やサービスを紹介したい!」と思わせるキャンペーンの実施を検討してみましょう。中国人観光客にとって魅力的なキャンペーンを打ち立てられれば、大幅な集客効果が見込めます。

Webマーケティングにおいては下記の記事で詳しく紹介されているので、ぜひこちらも参考にしてください。

旅行・宿泊・航空会社HPに広告を出す

「安い旅行ツアーはないかな?」

「どこの宿泊施設を予約しよう?」

「席がなくなる前に飛行機のチケットをとらなければ!」

様々な理由から春節前は旅行会社・宿泊施設・航空会社のHPのアクセスが集中します。だからこそ実践したいのがHPに広告を出すことです。

実際に、これらのHPにある情報を参考にしている訪日観光客も多々見られます。自社HPへ上手に誘導できるため、効果的な企業PRにつながりますよ。

本記事で触れた春節における外国人観光客の消費動向や爆買い現象の背後にある新たなトレンドを、もっと詳しく知りたければ、専門的にまとめられた資料をご利用いただけます。無料でダウンロードいただけるので、ぜひこちらからお求めください

まとめ

中国の祝日はいくつかありますが、その中でも春節は多くの中国人が楽しみにする祝日です。日本のお正月のように実家でのんびり過ごすのが従来の過ごし方でしたが、近年はこの7日程度の連休を利用して日本に来る中国人観光客が増えています。

また、中国人観光客の増加に伴い、日本での消費額も回復・拡大傾向にあります。2024年の中国人観光客による年間消費額は1兆7,335億円に達し、国・地域別でトップとなりました。

2025年の春節期間中も消費額は引き続き好調で、今後も日本企業の売上拡大と経済への好影響が期待されています。

しかし、春節で売上をアップさせるためにはしっかりとインバウンド客を呼び込むことが大切です。どのように集客すれば良いか分からない方のために、訪日外国人集客の戦略支援をしている株式会社LIFE PEPPERでより効果的な中国インバウンド集客を支援します。

「なんとしてでも中国人観光客を集客したい!」という日本企業は、まずは無料のお役立ち資料をダウンロードしてみてはいかがでしょうか。

「中国人インバウンド」に役立つ無料資料ダウンロードはこちら

参考:パックツアーに頼らない、私らしい自由な海外旅行|Oooh


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