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訪日中国人観光客の最新動向と効果的な集客戦略

訪日インバウンド
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訪日中国人観光客の増加とその背景

2023年以降、訪日外国人観光客の中でも特に中国人観光客の回復が注目されています。新型コロナウイルスの影響により一時減少したインバウンド需要は、2023年後半から段階的に回復基調に入り、中国本土からの訪日者数は前年比300%以上の伸びを示す月も確認されています。

この背景には、以下のような複合的な要因があります。

  • 日本政府によるビザ緩和政策の継続
  • 中国国内における富裕層の拡大と旅行志向の高まり
  • 円安の進行による“お得感”
  • 日本製品や日本文化への根強い信頼と人気

また、2024年以降は中国政府の団体旅行解禁が追い風となり、個人旅行客(FIT)だけでなく団体ツアーの需要も高まってきています。特に「買い物」「温泉」「体験型観光」に対する関心は引き続き高く、観光関連業界にとっては戦略的な対応が急務となっています。

参考:訪日ラボ https://honichinavi.com/china_marketing/

人気の訪日先と観光体験

大阪・新世界の街並み

北海道の魅力

中国人観光客の間で特に人気が高いのが北海道です。最大の魅力は、雪景色やウィンタースポーツといった日本ならではの自然体験です。中国では積雪が少ない地域も多く、札幌・小樽・ニセコなどでの雪遊びやスキー、雪まつりなどの体験は“非日常”の象徴として注目されています。

また、四季折々の食材を楽しめるグルメ観光や、温泉旅館の人気も高く、家族旅行やカップル旅行として定番化しつつあります。

参考:ジャパンチケット https://japanticket.com/column/visito-to-japan/inbound-china-strategy/

ショッピングと高級品購入

訪日中の中国人観光客にとってショッピングは非常に重要なアクティビティです。特に以下の傾向が顕著です:

  • 日本ブランドの化粧品・医薬品・家電製品への高い信頼
  • 富裕層を中心とした高級腕時計・ジュエリー・ブランド品の爆買い傾向
  • 都市部(銀座・心斎橋・表参道)に集中する高級店での消費

加えて、免税制度の整備やキャッシュレス対応の進化が購買体験をスムーズにしており、店舗側のインバウンド対応の質が売上に直結しています。

参考:PR TIMES https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000127.000032118.html

中国人観光客の消費傾向

訪日中国人観光客の最大の特徴のひとつは、高い消費単価です。観光庁の統計によると、1人あたりの旅行支出は平均20万円以上にのぼり、訪日観光客全体の中でも群を抜いています(参考:日本政府観光局2024年版統計)。

特に以下の分野で顕著な傾向があります。

  • ブランド品や化粧品などの物品消費
  • 和食・高級寿司・すき焼きなどの食体験消費
  • 着物体験・陶芸体験・アニメ観光などのコト消費

これらの消費は、「日本に来なければできない体験」に価値を感じる姿勢の表れであり、商品そのものよりも“思い出に残る体験”を重視する傾向が年々強まっています。

参考:ベクトルチャイナ https://vector-china.net/column/inbound/statistics-chinese-visitor/

集客戦略とプロモーションのポイント

中国の歴史的な建築物

コト消費の推進

中国人観光客の消費行動は、物よりも体験を重視する「コト消費」へと大きくシフトしています。特に次のような体験が注目されています。

  • 地域限定の工芸・文化体験(書道、茶道、陶芸)
  • 着物レンタルと写真撮影ツアー
  • 日本の伝統行事や地域祭りへの参加

これらの体験は、SNSでの拡散性が高く、旅の価値を一層高める要素として、口コミ・リピーター獲得にも寄与します。

事例
九州のとある温泉地では、着物で町歩きを楽しめるプランを外国人向けに提供。現地スタッフの中国語対応とあわせて、体験の設計から案内・接客までを一貫して最適化することで、年間訪問者数が前年比150%に伸長しました。

参考:エス・ビット記事 https://www.sbbit.jp/article/cont1/150152

SNSを活用したプロモーション

中国市場でのプロモーションには、日本国内のSNSではなく、中国独自のプラットフォームが鍵を握ります。

代表的なもの

  • WeChat(微信):生活密着型のメッセージアプリ。公式アカウント運用やミニプログラムが効果的
  • Weibo(微博):中国版X(旧Twitter)に近い機能で拡散力が強い
  • RED(小紅書):若年層の女性を中心に人気のショッピング・体験レビューSNS

これらのSNSでは、インフルエンサー(KOL)との連携や、訪日観光の魅力を視覚的に伝える投稿が効果を発揮します。

また、訪日前の情報収集段階でリーチできるよう、観光地や企業は「検索・予約導線の整備」をSNS経由でも意識して設計することが求められます。

参考:ホニチナビ https://honichinavi.com/china_marketing/

今後の展望と課題

白い橋を渡る人物

インバウンド観光の持続可能性

中国人観光客の回復が進む一方で、観光地のキャパシティを超える訪問や、地域住民との摩擦といった課題も顕在化しています。特に人気観光地では「オーバーツーリズム」が社会問題となっており、受け入れ体制の整備とマネジメントの強化が急務です。

対策として、以下のようなアプローチが求められます。

  • 分散型観光(都市部以外の地域や平日の来訪を促す)
  • デジタル技術を活用した人流可視化と予約システムの導入
  • 外国語対応ガイドラインの策定と現地スタッフの教育

加えて、環境への配慮や文化財の保護といった観点も必要となり、“観光地の魅力を守りながら活かす”持続可能な運営が今後のキーワードです。

参考:観光庁「持続可能な観光推進」https://www.mlit.go.jp/kankocho/sustainable-tourism/

まとめ

訪日中国人観光客の増加は、日本の観光産業や地方経済にとって極めて大きなビジネスチャンスです。一方で、対応の質・戦略の巧拙によって成果に差が出る時代に突入しています。

本記事では、動向データ・人気観光地・消費傾向・戦略・SNS活用・課題までを網羅的に整理しました。

これからのインバウンド施策では、外国人視点を取り入れた体験価値の創出と、持続可能性を踏まえたマネジメントの両立が不可欠です。官民の連携や地域独自の取り組みとともに、戦略的な集客施策を講じることで、さらなる成長とリピーター獲得を実現していきましょう。

結局のところ、以下の2つの戦い方しかないと私たちは考えています。

関連リンク:【公開資料】2度と戻らない“中国人の爆買い“と4年強の日本旅行難から開放された韓国人の”爆買い現象”の新トレンド – (株)LIFE PEPPER|1000社の海外デジタルマーケティング支援

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