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インバウンドプロモーション事例を徹底解説

訪日インバウンド
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近年の日本では、訪日外国人観光客(インバウンド)の数が急速に回復し、大きな経済効果をもたらしています。日本政府は2030年までに訪日客数6,000万人、観光消費額15兆円という高い目標を掲げており、インバウンド観光は日本の成長戦略において重要な柱と位置付けられています。実際に、2024年4月には訪日外客数が2ヶ月連続で300万人を突破し、コロナ禍以前の2019年同月比で4.0%増を記録するなど、市場は力強い回復を見せています。

このような状況下で、より多くの外国人観光客を誘致し、地域経済の活性化につなげるためには、効果的なインバウンドプロモーションが不可欠です。インバウンドプロモーションとは、海外に向けて日本の魅力を発信し、訪日を促すための一連の活動を指します。成功するプロモーションを展開するには、ターゲットとなる国や地域の特性を深く理解し、彼らの心に響くメッセージを届ける戦略的な視点が求められます。本記事では、実際の成功事例を交えながら、効果的なインバウンドプロモーション戦略について解説していきます。

参考:【完全版】訪日インバウンド誘客のための海外プロモーション・販路開拓の手法
参考:インバウンドプロモーションの重要性
参考:自治体向け: インバウンドプロモーション成功の鍵は?国・地域別のニーズを解説

インバウンドプロモーション戦略立案のポイント

会議としている画像

インバウンドプロモーションを成功に導くためには、事前の戦略立案が極めて重要です。ターゲットを明確にし、適切な手法を選び、魅力的なコンテンツを用意することが基本となります。

ターゲット国の選定と深い理解

まず取り組むべきは、どの国・地域からの観光客を主なターゲットとするかを選定することです。日本を訪れる外国人観光客は国ごとに異なる特徴を持っています。例えば、2018年のデータでは訪日客数が最も多いのは中国で、消費額でもトップでした。2024年4月のデータでは、韓国、インドネシア、アメリカからの訪日客数増加が市場全体を押し上げています。

各国の人々が日本に何を求めているのか、その文化、嗜好、旅行の目的を深く理解することが不可欠です。例えば、アメリカからの観光客は日本の文化体験や歴史、ポップカルチャー、自然、食文化に関心が高い傾向にあります。また、中国語圏をターゲットにする場合、中国本土では「簡体字」、台湾や香港では「繁体字」が使われるため、適切な言語対応が求められます。ターゲット国のニーズを的確に捉えることが、効果的なプロモーションの第一歩と言えるでしょう。

多様なプロモーション手法の理解と選択

ターゲットを定めたら、次にどのような手法でアプローチするかを検討します。インバウンドプロモーションには様々な手法が存在します。

デジタルプロモーション

現代において中心となるのがデジタルプロモーションです。具体的には、検索エンジンやSNSプラットフォームへのWeb広告出稿、Facebook、Instagram、YouTube、あるいは中国市場向けのWeibo(微博)、小紅書(RED)、抖音(Douyin)といったSNSアカウントの運用、そして自社や地域の情報を発信するオウンドメディアの運営などが挙げられます。特にSNSは、ビジュアルで訴求しやすく、口コミ効果も期待できるため非常に有効です。

インフルエンサーマーケティングの活用

ターゲット国で影響力のあるインフルエンサーに自社の商品やサービス、観光地などを体験してもらい、その感想を発信してもらう手法も効果的です。インフルエンサーのフォロワーに対する訴求力は高く、信頼性のある情報として受け入れられやすい傾向があります。

リアルイベント、体験型コンテンツの提供

海外で開催される旅行博への出展や商談会、あるいは日本国内で海外メディアや旅行会社を招いたイベントの実施も有効な手段です。また、日本の文化を深く体験できるようなコト消費型のコンテンツを提供することも、満足度向上と口コミ誘発につながります。

これらの手法を単独で実施するだけでなく、組み合わせて展開することで相乗効果が期待できます。

魅力的なコンテンツ作成と発信

プロモーションの成否を左右するのがコンテンツの質です。外国人観光客の視点に立ち、彼らが何に興味を持ち、どのような情報に「発見」を感じるかを考慮してコンテンツを作成することが重要です。単に情報を羅列するのではなく、ストーリー性を持たせ、共感を呼ぶような情報発信を心がけましょう。

特に、動画や高品質な写真は、言語の壁を超えて魅力を伝える強力なツールとなります。美しい風景、美味しそうな食事、楽しそうな体験風景など、視覚的に訴えるコンテンツはSNSでの拡散も期待できます。また、外国人旅行者自身が発信するUGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)を促すような仕掛けも有効です。

参考:インバウンドプロモーションの重要性
参考:自治体向け: インバウンドプロモーション成功の鍵は?国・地域別のニーズを解説
参考:「インバウンドプロモーション」とは? 目的や手法といった基礎知識を徹底解説
参考:中国のインバウンド地域プロモーション:成功事例と実践的な戦略
参考:集客施策から長期的なブランディングまで、 インバウンドプロモーションの当社事例
参考:インバウンド向けプロモーションで効果を上げるためには?

【目的別】インバウンドプロモーション成功事例

パソコンと用紙を使って話し合いをしている女性たちの画像

インバウンドプロモーションの目的は様々です。ここではそれぞれの成功事例を紹介します。

認知度向上とブランディングに貢献した事例

岐阜県高山市:多言語対応と継続的なオンライン発信による成功

岐阜県高山市は、1986年から先進的にインバウンド誘致に取り組み、2019年には外国人宿泊者数が61万人を超えるなど、人気の観光地としての地位を確立しています。行政と事業者が連携し、地図やホームページの多言語対応はもちろん、コロナ禍以降はSNSによる情報発信や動画配信を強化しました。海外向け特設サイトを開設し、在日アメリカ人が高山を巡るYouTube動画を公開するなど、継続的なオンラインプロモーションが功を奏し、インバウンド需要の回復に成功しています。地元の様子を多言語で発信し続けることで、外国人観光客との繋がりを強化しています。

埼玉県:海外インスタグラマーを起用した「LOVE SAITAMAアンバサダー」


埼玉県では、川越・長瀞・秩父・飯能といった観光地をPRするため、「LOVE SAITAMAアンバサダー」制度を設け、ニュージーランドと香港出身のインフルエンサー2名を起用しました。そのうち1名はInstagramで多くのフォロワーを持つ人物で、弓道を中心に日本の伝統文化の魅力を発信しています。このように、特定のテーマに関心を持つインフルエンサーを起用することで、ターゲット層へ効果的にリーチし、地域のブランドイメージ向上に繋げています。

参考:【事例】インバウンドプロモーションとは?成功させる3つのコツも紹介
参考:自治体向け: インバウンドプロモーション成功の鍵は?国・地域別のニーズを解説
参考:インバウンド観光促進に向けたプロモーションや成功事例について解説

具体的な誘客・予約獲得に繋がった事例

北海道の旅館・沖縄のリゾート:ターゲット国に合わせたオンライン広告戦略


北海道エリアのある旅館では、台湾、香港、アメリカなど7カ国をターゲットにMeta広告(Facebook、Instagram)を月額約10万円で配信し、月間約100件の予約獲得に成功しました。予約獲得単価は約1,000円と非常に効率的でした。また、沖縄エリアの人気リゾートでは、Google検索広告とMeta広告を活用し、台湾、韓国、その他アジア諸国向けに月額約60万円でアプローチ。外国人旅行者向けの宿泊プランやコンテンツを積極的に作成し、月間約200件の予約獲得に繋げました。これらの事例は、ターゲット国を明確にし、適切なオンライン広告媒体を選定することで、具体的な予約獲得という成果を出せることを示しています。

MagicalTrip:在日外国人YouTuberとの連携によるツアー予約倍増


旅行会社MagicalTripは、秋葉原のローカルツアーのプロモーションにおいて、在日外国人YouTuberと共同でツアーを企画しました。もともと海外在住のYouTuberを活用していましたが、渡航費やディレクションの難しさという課題がありました。そこで、日本在住の外国人インフルエンサーネットワークを持つ企業と連携し、より効果的なプロモーションを展開した結果、ツアーの予約件数を2倍に伸ばすことに成功しました。

LUGGAGE-FREE TRAVEL:YouTuberプロモーションによるサービス利用促進


手荷物配送サービスを提供するLUGGAGE-FREE TRAVELは、訪日外国人旅行者向けにサービスの認知拡大と利用促進を目指していました。外国人YouTuberを起用し、手ぶら観光の快適さをプロモーションする動画を制作・配信したところ、目標以上の数値(具体的な数値は非公開)を達成しました。これは、旅行者の具体的な課題を解決するサービスを、ターゲット層に響く形で紹介した好例です。

参考:インバウンドマーケティングの成功事例:外国人観光客を引きつける広告戦略 
参考:デジタルマーケティングで欧米豪向けのローカルガイドツアー集客を更に向上させたい
参考:訪日外国人向けに手荷物配送サービスをプロモーションし利用者数を増やしたい

インバウンドプロモーション効果を最大化する秘訣

インバウンドプロモーションは、一度実施して終わりではありません。効果を最大化し、持続的な成果を得るためには、いくつかの重要なポイントがあります。

効果測定とデータに基づいた改善サイクル

プロモーション施策を実施した後は、必ず効果測定を行うことが不可欠です。まず、具体的なKPI(重要業績評価指標)を設定します。これには、ウェブサイトへのアクセス数、SNSアカウントのフォロワー数やエンゲージメント率、問い合わせ件数、予約数、そして実際に訪れた外国人観光客の数などが考えられます。

これらのデータを収集・分析し、何がうまくいき、何が改善すべき点なのかを把握します。そして、その結果に基づいて次の施策を計画・実行するというPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを回していくことが、プロモーション効果を高める上で非常に重要です。ある調査では、インバウンド施策の効果を測定している自治体は全体の56%に留まっており、まだ改善の余地があると言えます。

変化する市場トレンドへの対応

インバウンド市場は常に変化しています。旅行者のニーズや興味関心、人気のデスティネーション、利用する情報収集ツールなどは時代とともに移り変わります。最新の旅行トレンドや消費者ニーズを常に把握し、それに合わせてプロモーション戦略を柔軟に見直していく必要があります。

例えば、近年ではサステナブルツーリズム(持続可能な観光)への関心が高まっています。環境への配慮や地域文化の尊重といった要素をプロモーションに取り入れることも、特定の層へのアピールに繋がる可能性があります。また、AI(人工知能)を活用したチャットボットによる多言語対応や、VR(仮想現実)を使った事前の観光体験提供など、新しいテクノロジーの活用も視野に入れると良いでしょう。

参考:全国の地方自治体のインバウンド施策の現状と課題
参考:【完全版】訪日インバウンド誘客のための海外プロモーション・販路開拓の手法

まとめ

浅草浅草寺の画像

本記事では、インバウンドプロモーションの重要性から戦略立案のポイント、そして多様な成功事例について解説してきました。インバウンド市場が力強く回復する今、効果的なプロモーションは、日本の魅力を世界に届け、多くの外国人観光客を惹きつけるためのポイントとなります。

様々な成功事例を振り返ると、いくつかの共通点が見えてきます。まずどの国や地域のお客様に来てもらいたいかをしっかりと理解することが大切です。次に、その目的に合った宣伝方法を選ぶことが重要になります。また、外国人の視点に立って、魅力的なコンテンツを作ることも欠かせません。そして何よりも、取り組みの効果をきちんと測定し、継続的に改善していくことが成功の鍵となるでしょう。

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