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インバウンド調査:訪日外国人の消費動向と2025年最新トレンド

訪日インバウンド
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2025年の訪日外国人旅行者数は約4,020万人に達し、インバウンド消費額は約20兆円に上ると予測されています。 ​このような状況下で、訪日外国人の消費動向を把握することは、観光業界や関連ビジネスにとって極めて重要です。本記事では、最新のインバウンド消費動向や旅行者のニーズ、今後の展望について詳しく解説します。

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インバウンド消費動向調査の概要

インバウンド調査とは、訪日外国人観光客の消費行動や嗜好を分析し、彼らのニーズを明らかにするマーケティングリサーチの手法です。​

外国人観光客がどのような情報収集をして消費活動をしているのか調査することで、日本人以外からの売上を大きく伸ばすことが出来ます。

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地域別インバウンド消費動向

2024年の訪日外国人消費額は、過去最高の8兆1,395億円を記録しました。(※)​地域別では、関東地方が最も多くの消費を占め、次いで関西、北海道の順となっています。ここでは、関東、関西、北海道、九州など主要エリアのインバウンド消費傾向を詳しく見ていきましょう。

※訪日ラボ「訪日消費額、過去最高の8.1兆円 1人当たり旅行支出は22.7万円【インバウンド消費動向調査2024年】

関東地方:ショッピング・観光・グルメの三拍子が強み

関東地方は、東京都を中心に多彩な観光スポットと充実したショッピングエリアが集まっており、訪日外国人の消費額は全国トップクラスです。特に銀座や新宿では化粧品や電化製品の購入が目立ち、浅草や上野などの観光地も人気です。また、成田・羽田といった国際空港の利便性も訪問理由の一つです。

外国人観光客は「日本らしいお土産」や「トレンドファッション」に高い関心を持っており、百貨店やドン・キホーテなどでまとめ買いをする傾向があります。宿泊・飲食においても高単価消費が見られるため、首都圏の商業施設にとっては大きなマーケットです。

関西地方:文化体験と伝統が消費を後押し

関西エリアは、京都・大阪・奈良といった日本の歴史や伝統文化を体験できる都市が集中しているのが特徴です。特に京都では、寺院や茶道体験、着物レンタルといった「文化体験型消費」が好まれ、観光関連支出の比率が高くなっています。

大阪では道頓堀や黒門市場のようなグルメスポットが人気で、「食」に関する支出が全国平均を大きく上回る傾向があります。また、関西国際空港からのアクセスが良いため、東南アジアや韓国・中国からの旅行者が多く、リピーター率も高いです。

北海道:自然と季節限定の観光資源が魅力

北海道は、四季折々の自然体験と地域ならではの食文化がインバウンド消費を支えています。特に冬の雪景色やスキーリゾート(ニセコ、富良野など)は欧米豪からの観光客に人気で、宿泊やアクティビティへの支出が多い傾向です。

夏季には大自然やラベンダー畑、温泉地が注目され、自然志向の旅行者層にとって魅力的な滞在先となっています。なお、交通の不便さや英語対応の課題もあるため、今後は受け入れ体制の整備が重要になります。

九州・沖縄地方:アジア圏からの来訪が牽引

九州や沖縄は、地理的にアジア圏から近いこともあり、中国・台湾・韓国などの近隣国からの旅行者が多く訪れます。福岡では買い物や屋台グルメが、熊本・別府では温泉や自然体験が、沖縄ではリゾート型滞在が好まれており、「癒し」「リフレッシュ」を目的とした滞在が主流です。

最近ではLCCの就航やクルーズ船の寄港地としても注目されており、短期滞在の旅行者による消費が増えています。ただし、台風や季節変動の影響を受けやすいため、通年型の魅力づくりが今後の課題となります。

インバウンド消費のカテゴリ別分析

2024年、訪日外国人の総消費額は過去最高額を記録し、インバウンド市場の復調が鮮明となりました。中でも支出の大半を占めるのが、「宿泊」「買い物」「飲食」の3カテゴリです。それぞれの消費傾向と人気コンテンツを詳しく見ていきましょう。

宿泊:高付加価値の“和”体験が好評

2024年10~12月期における訪日外国人の旅行消費額において、宿泊費は全体の35.0%を占め、最も大きな割合となりました。(※)​近年は単なる宿泊ではなく、旅館や町家など日本独自の宿泊体験を求める旅行者が増加傾向にあります。特に欧米やオーストラリアからの訪問客の間では、温泉や畳のある部屋、和朝食などの「非日常的な体験」への評価が高まっています。

また、ホテル側も訪日客の多様なニーズに応える形で、多言語対応やヴィーガンメニューの導入などサービスの質を向上。宿泊業界全体がインバウンド対応を本格化させつつあります。

買い物:日用品から“一点物”へニーズが多様化

2024年10~12月期における訪日外国人の買い物費用は約6,678億円と全体の2割強を占め、中国・東南アジア圏からの訪問客を中心に根強い需要があります。(※)特に医薬品や化粧品、家電製品は人気が高く、ドラッグストアや量販店、免税店での大量購入も見られます。

一方で、欧米豪からの旅行者の間では、伝統工芸品やローカル雑貨など“ここにしかないモノ”を求める傾向が強く、地域の個性を活かした商品やブランドが再評価されています。100円ショップや無印良品のような“日常を感じる買い物体験”も話題になっています。

飲食:食文化体験が旅行のハイライトに

2024年10~12月期における訪日外国人の旅行消費額において、飲食費は全体の20.8%を占め、訪日外国人の消費において重要な位置を占めています。(※)​人気の和食ジャンルとしては、寿司、ラーメン、焼肉などが引き続き根強い支持を集めています。地方ごとのご当地グルメや、観光地での食べ歩き文化も訪日客にとって大きな魅力となっています。

さらに、最近は「寿司づくり体験」「茶道体験」などの参加型プログラムも注目されています。単なる食事ではなく、“文化としての日本食”を体感したいというニーズが増加しているのが特徴です。

※国土交通省観光庁「インバウンド消費動向調査 観光庁2024年10-12月期の調査結果

2024~2025年の消費動向速報

2024年はインバウンド市場が大きく回復し、訪日外国人による旅行消費額が過去最高を記録しました。観光需要の本格的な再開により、前年比・2019年比ともに大幅な増加が見られています。

2024年のインバウンド消費は過去最高を更新

2024年の訪日外国人による旅行消費額は、年間で8兆1,395億円に達しました(※観光庁「訪日外国人消費動向調査」より)。これは前年比で**+53.4%の増加となり、コロナ禍前の2019年と比べても+69.1%という大幅な伸びを示しています。日本のインバウンド消費はパンデミックの影響から完全に回復しただけでなく、過去最高を更新する結果となりました。

訪日外国人数も大幅増、アジア圏中心に回復

2024年の訪日外客数は3,686万9,900人となり、前年比で**+47.1%、2019年比でも+15.6%**の増加を記録しました(※日本政府観光局[JNTO]発表)。特に韓国、台湾、香港といった近隣アジア地域からの旅行者が顕著に回復しており、LCCの路線拡充やビザ免除措置も追い風となりました。

2025年も好調なスタート、さらなる成長に期待

さらに最新のデータとして、2025年1月〜3月期の訪日外国人による旅行消費額は2兆2,270億円と発表されており、前年同期と比較して**+28.4%**の増加を記録しています(※観光庁「訪日外国人消費動向調査(1次速報)」より)。これにより、2025年も引き続きインバウンド需要の拡大が期待されており、業界全体が成長基調にあることが示唆されています。

食文化インバウンド促進の取り組み

日本の食文化は、訪日外国人観光客にとって大きな魅力の一つとなっています。政府や観光業界は、その魅力を効果的に伝えるための施策を強化し、外国人観光客が日本食を体験できる機会を増やしています。本節では、日本食の魅力を伝える施策と、訪日外国人に人気の食文化体験について紹介します。

日本食の魅力を伝える施策

近年、日本食の人気が世界中で高まる中、観光庁や日本政府はその魅力を伝える施策を強化しています。海外メディアへのプロモーションや、SNSを活用した日本食文化の発信がその一環として行われています。

特に、インフルエンサーとのコラボレーションを通じて、より多くの外国人観光客に日本食を知ってもらう取り組みが進められています。

訪日外国人に人気の食文化体験

訪日外国人にとって、日本食を実際に体験することは大きな魅力です。寿司作り体験や茶道、和菓子作りなどの体験プログラムは特に人気があります。

これらの体験は、観光客が日本の食文化を深く理解し、滞在をより豊かなものにする手段となっています。

訪日外国人旅行者の意向とニーズ

訪日外国人の旅行ニーズや意向は、地域ごとに異なる特徴を持っています。特に、アジア圏と欧米圏、豪州からの旅行者の関心は大きく異なり、それぞれに特化した対応が求められています。本節では、アジア、欧米豪の旅行者別の意向調査をもとに、訪日目的と期待する体験について詳しく見ていきます。

アジア、欧米豪の旅行者別の意向調査

アジアからの旅行者は、比較的短期間の滞在を選ぶことが多く、近隣の日本文化やグルメを重視しています。例えば、食文化体験やショッピング、温泉などのリラクゼーションを中心に旅行計画を立てることが多いです。

一方で、欧米や豪州からの旅行者は、比較的長期の滞在を選ぶことが多く、歴史的な観光地や自然景観を堪能することを目的にしている傾向があります。また、欧米豪の旅行者は、個性的な日本文化や伝統に対する関心が高く、異文化体験やアート関連のイベントを期待して訪日することが多いです。

訪日目的と期待する体験

訪日外国人が最も期待している体験のひとつは、日本の食文化を味わうことです。寿司やラーメン、和菓子、そして地域ごとの特産品を楽しむことは、訪日外国人の旅行の大きな魅力となっています。

また、観光スポットにおいては、特に日本の伝統文化を体験できる場所、例えば、神社や寺院、和装体験、茶道などが高い人気を誇ります。加えて、最近では、地域ごとの独自の観光体験や、滞在型の観光地(例えば、農業体験や温泉地でのリラックス)を求める傾向も強くなっています。

このように、訪日外国人の意向やニーズを反映した観光サービスや体験が、今後のインバウンド消費をさらに活性化させる鍵となるでしょう。

インバウンド調査の方法・ポイント

インバウンド調査と一言でいっても、その方法は様々です。ここではどのような手法があるのか、インバウンド調査において重要なポイントについていくつか紹介していきます。

街頭調査・アンケート(定量調査)

外国人観光客のリアルタイムのニーズやトレンドを調査するには、街頭調査やアンケートがとても効果的です。

訪日外国人観光客のニーズは年々急速に変化しているため、ネットで調べた情報ではデータの鮮度が古く時代遅れになっている可能性があります。

もちろんサンプル数が少ない状態ではデータに偏りが発生する可能性があるので、100~1000人以上など一定数を対象とした定量調査が必要です。

「インバウンド集客を成功させるには?具体的な方法や成功事例を紹介」

SNS・口コミ調査

近年ではインターネットとスマートフォンの普及により、消費者は体験や口コミなどをデジタルに残す習慣が生まれています。

実際にインバウンド業界でもSNSや口コミの影響力は年々増しており、SNS、口コミサイト、個人ブログなどのコンテンツが主な情報収集源となっています。代表的なものとしては、中国シェアNo.1のメッセンジャーアプリである「WeChat」や韓国最大の検索エンジン「NAVER」、台湾の口コミサイト「IPeen」などがあります。

訪日外国人の約半数以上がこれらの媒体を活用しているため、インバウンド調査において外せないものとなっています。

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現地調査員によるヒアリング

訪日外国人から口コミや意見などを集めるだけでなく、現地に調査スタッフを派遣してヒアリングやアンケートを実施すればより精密な回答結果を得ることが出来ます。

訪日外国人はターゲットによって言語、文化、習慣など多岐にわたり、消費者ごとの背景やニーズも異なってきます。

その場で簡単なアンケートを書いてもらうだけでは知ることの出来ない文化の壁を知るためには現地調査がより効果的です。

インバウンド調査のメリット

様々な手法によって実施することの出来るインバウンド調査ですが、実行することによって得られるメリットは大きく分けて以下の2点にあります。

販売チャネルを拡大出来る

インバウンド調査を実施することで、訪日外国人向けにどのような販売戦略を取ればいいのか知ることが出来ます。

販売チャネルとは、商品やサービスを利用してもらうための流入経路を指します。例えば、日本人向けのお店で日本語で商品の説明を掲げていれば、メインとなる消費者は日本人となり、外国人が手に取ることはほとんどありません。

しかし、単純な人口で考えると日本は1.2億人に対し、アメリカは3.2億人、中国は13.8億人という圧倒的な市場規模を誇ります。日本の10倍以上ある人口から消費者を獲得して販売チャネルを拡大することができれば、ビジネスチャンスは大きく広がっていきますね。

スムーズにグローバル展開が可能

海外進出するにあたり、現地でスムーズに事業展開を行えるかどうかは大切なポイントとなってきます。

特に、日本で事業を行っている企業が海外進出(グローバル展開)を始める前に重要なのがインバウンド調査です。日本でうまく行った事業戦略も海外でそのまま展開してうまくいくとは限らず、むしろ思ったように成果が出ずに数年で撤退する企業も多いです。

ビジネスをスムーズに進めるためにも、自社商品やサービスをどのように海外にアピールすれば効果的なのか事前に調査しておく必要があります。失敗のリスクを少しでも下げるためにもインバウンド調査は必要不可欠で言えます。

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インバウンド調査はプロに任せよう

インバウンド消費は地域によって内容や金額が大きく異なります。全国一律の施策では効果が出にくく、地域の特性を活かしたプロモーション戦略や商品開発が重要です。失敗のリスクを少しでも減らすために、インバウンド調査を専門的に行っているノウハウを持ったプロに任せるのが最適です。

総合的な海外インバウンドのノウハウを持っている弊社LIFE PEPPERではお客様の要望に合わせた様々な提案を行っています。インバウンド調査でお困りの方は、まずは資料ダウンロードメールの無料相談から検討して下さいね。

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