目次
インバウンド誘客戦略とは?
インバウンド誘客戦略とは、訪日外国人観光客(インバウンド)を効果的に地域へ誘導し、観光資源を活用して経済波及効果を最大化する施策のことです。単なる観光PRではなく、外国人視点での導線設計、文化・体験価値の訴求、受け入れ環境の整備などを総合的に行う必要があります。
2023年の訪日外国人観光客数は、コロナ禍前の水準に迫る約2,500万人を記録し、2024年は3,000万人超えが見込まれています。今後の地域経済再生や人口減少対策の柱として、インバウンドの活用はますます重要性を増しています。
参考:日本政府観光局(JNTO) https://www.jnto.go.jp/projects/overseas-promotion/marketing-strategy/
インバウンド誘客戦略の必要性

訪日外国人観光客の増加
コロナ禍からの回復とともに、インバウンド需要は急速に拡大しています。特にアジア諸国(中国・韓国・台湾・タイなど)や欧米からの旅行者が増加傾向にあり、国別のニーズに対応した戦略が求められています。
また、LCCやオンライン予約サイトの普及により、地方都市や中山間地域への訪問も拡大しており、従来の”ゴールデンルート(東京・京都・大阪)”にとどまらない多様な動線設計が必要です。
参考:観光庁 インバウンド回復プラン https://www.mlit.go.jp/kankocho/seisaku_seido/kihonkeikaku/inbound_kaifuku/index.html
地域の観光資源の活用
国内には未活用の観光資源が数多く存在します。たとえば、地元の伝統工芸・郷土料理・季節行事などは、訪日外国人にとって“ここだけ”の体験として高い価値があります。
そのためには、地域住民や事業者と連携しながら、体験型観光コンテンツを磨き上げるとともに、インバウンド対応可能な受け入れ体制を整備することが不可欠です。
参考:宮崎市インバウンド施策 https://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/city/policy/tourism/372185.html
インバウンド施策についてのさらなる理解を深めたい方は、弊社が提供する「会社概要・事例集・対応可能な国&施策まとめの3点資料セット」をダウンロードし、具体的な事例と施策をご覧ください。
インバウンド誘客戦略の成功のポイント

外国人の目線でのリサーチとブランディング
訪日外国人にとって何が魅力的に映るのか、日本人の感覚だけでは判断できません。たとえば「四季折々の風景」や「地元の食文化」は日本人にとって当たり前でも、外国人には非日常で特別な体験です。
そのため、外国人視点での調査(インタビュー、SNS分析、レビュー解析など)を行い、ニーズや価値観を把握した上で、ストーリー性のあるブランディングを構築することが必要です。
参考:創業手帳 インバウンド戦略とは https://sogyotecho.jp/inbound-senryaku/
自社だけだと限界がある場合、外部の支援企業への依頼も検討することをおすすめします。
インバウンドリサーチとは?訪日外国人増加をビジネスチャンスに!
外国人リサーチの重要性!成功させるポイントや成功例から効果的な方法をチェック!
多言語での情報発信
外国人観光客が日本の魅力を事前に知り、安心して旅を計画するためには、多言語対応のWebサイトやSNSが不可欠です。
英語、中国語、韓国語など訪日数の多い国の言語で、観光地・交通・体験・飲食・宿泊に関する情報を整理して発信しましょう。
さらに、リアルタイム性の高いSNS(Instagram, X, Facebook)を活用することで、現地の熱量をダイレクトに伝えることができます。
参考:指宿市インバウンド戦略 https://www.city.ibusuki.lg.jp/main/shisei/keikaku/keikaku/page028326.html
「ここだけ」でしか味わえない体験の提供
世界中どこでも体験できるような観光では、インバウンドの心には響きません。彼らが求めているのは、「ここにしかない唯一無二の体験」です。
例:
- 伝統的な漁業体験(地元漁師と海に出る)
- 古民家での田舎暮らし体験
- 職人による染物・陶芸のワークショップ
これらの体験は、訪問先との感情的な結びつきを生み、SNS拡散や口コミによるプロモーション効果も期待できます。
インバウンド誘客戦略での具体的施策

多言語対応や決済サービスの導入
訪日外国人が日本でストレスなく旅行できるためには、インフラ面の整備が前提条件です。特に次の要素が重要です。
- 多言語対応の館内案内、スタッフ対応、Webサイト
- クレジットカード・QRコード決済・Apple Payなどの非接触型決済の導入
- 外国語でのサポート(FAQ、チャットボットなど)
こうした細部への配慮は、外国人の旅行体験における安心感を高め、地域への信頼感と再訪意欲に直結します。
訪日外国人向けのSNS運用
訪日外国人は、旅の計画や情報収集においてSNSの活用頻度が非常に高く、InstagramやYouTube、X(旧Twitter)は重要な情報源となっています。
そのため、観光協会や事業者が公式SNSを多言語で運用し、リアルタイムで地域の魅力を発信することが求められます。
運用のポイント:
- 風景・体験の“映える”写真・動画を定期投稿
- 現地のイベントや季節ごとの体験情報を即時発信
- ユーザーとのコメント・DMを通じたエンゲージメント
さらに、SNS広告を活用すれば、渡航前の外国人にピンポイントでリーチすることも可能です。
成功事例の紹介

次は、インバウンド施策の成功事例を2つご紹介します。
インバウンドで成功した企業は、どんな施策を打っていたのでしょうか。実際の具体例を見て、参考になるポイントを掴んでいただければと思います。
外国人向けビジネスの魅力とは?成功事例と取り組み方も解説します
弊社のインバウンド事例
満足度99%!飛騨古川のSATOYAMA EXPERIENCE
引用元: 「SATOYAMA EXPERIENCE」公式HP
まずは、株式会社「美ら地球(ちゅらぼし)」が岐阜県の飛騨古川で外国人向けツアーを提供する、「SATOYAMA EXPERIENCE」をご紹介します。
このサービスは2009年に開始され、今や年間3500人の利用者のうち80%以上が欧米豪を中心とした外国人です。さらに、世界最大の旅行口コミサイト・トリップアドバイザーで満足度99%を獲得しています。
同社のとったインバウンド戦略は、「何もない田舎の風景や日常を、あえて売りにする」というもの。
具体的な取り組みの1つとして、主にサイクリングツアーを催行するSATOYAMA EXPERIENCEを開始しました。飛騨古川の田舎感あふれる街並みや田んぼといった風景を、自転車でゆっくりと巡るのです。
欧米豪の文化や生活様式などは、日本と全く別ものです。だからこそ、私たちにとっては何でもない家屋や風景が新鮮に映り、非日常的な体験として満足してもらえます。
実際にサイクリングをした外国人客は、「ようやく出会えた、この風景!」と大喜びなのだそう。
有名な観光地だけでなく、現地の日常を知れる場所も、インバウンド客目線に立てば立派なリソースとなります。
またデータを見ても欧米豪からの訪日客は、日本の自然や伝統文化に興味を持つ人が多く、また身体を動かすアクティビティにもよく参加することが分かっています。(※)
SATOYAMA EXPERIENCEのサイクリングツアーは、欧米豪における需要を満たすコンテンツとして、都市部や景勝地に対する独自のポジションを築いているのです。
こちらの事例で伺えるのは、外国人客の目線に立つことで、はじめて認識できるリソースがあるという点です。日本人の考え方だけを持っていては、SATOYAMA EXPERIENCEのようなサービスは生み出せないでしょう。
戦略策定の際に割り振れるリソースはあなた次第で増減します。常にインバウンド客目線を意識して取り組んでいきましょう。
※:DBJ・JTBF/DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(2018年度版)
参照:東洋経済オンライン/外国人が熱狂する「田舎では普通の光景」7選
外国人客が40%!京都の祇園畑中
引用元:「祇園畑中」公式HP
京都の旅館「祇園畑中」がとったインバウンド戦略は、「宿泊しないお客様をターゲットに据え、彼らに旅館で京料理を満喫してもらう」というものです。
宿泊客以外も予約可能なイベント「京料理と舞子の夕べ」は、料金が19000円と高額にも関わらず、申し込む人の40%が外国人になる成功を収めました。
また、このイベントへ申し込む人は80%が畑中に宿泊しないお客様となっており、きちんとターゲットを取り込めていることが分かります。
外国人客は宿泊の際、食事なしのプランを選択する場合が多々あります。
旅館で出る懐石料理だけでなく、外の飲食店でラーメンや丼もの、カレーといった日本食を楽しんだり、居酒屋を体験したりと、自分の好きなように満喫したいと考えているからです。
祇園畑中はこの特徴に合わせた戦略と施策でインバウンド誘致に成功しました。外国人客目線での戦略策定が大切なことがこちらの例からも伺えますね。
参照:日本政府制作金庫/生活衛生だより
インバウンド施策に関する事例をもっと詳しく知りたい場合は、こちらから弊社の「事例集」を含む資料セットを無料でダウンロードいただけます。
インバウンド施策はプロに任せよう
インバウンド戦略を軌道に乗らせるために、有効活用してほしいのが、外部の支援企業です。
弊社LIFE PEPPERは、インバウンドに関するマーケティング・プロモーションの支援を専門で行っており、1,000社の相談実績を有しています。
弊社の強みは、アジア・欧米各国出身のネイティブスタッフが在籍していることです。彼らはマーケティングにも精通しており、日本人の専門家とチームを組んで、御社と二人三脚で課題を解決します。
またリサーチから戦略策定まではもちろん、後に続く施策の準備や実行も含めたインバウンド事業のトータルサポートができるのも弊社の強みです。
加えて現地のインフルエンサーやフリーランスとも提携して事業を進めており、より現地のリアルに沿った戦略や施策を進められます。
これらの強みを活かし、一過性でない確かな成功を実現します。
インバウンド施策に課題をお持ちであれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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まとめ
インバウンド誘客戦略は、単なる観光PRにとどまらず、地域経済の活性化と持続可能な観光モデルの実現に直結する重要な施策です。
特に2024年以降、訪日外国人の回復とともに競争も激化しており、外国人視点での体験設計、多言語対応、SNS戦略、地域連携など、総合的なアプローチが求められます。
本記事で紹介した成功ポイント・施策・事例をもとに、読者自身の地域や施設に合った施策を組み立て、“選ばれる観光地”としての魅力と信頼を世界に向けて発信していくことが、これからのインバウンド戦略の鍵となるでしょう。
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